1998 Fiscal Year Annual Research Report
軟化根管象牙質の硬さに及ぼす各種根管充填用シーラーの影響
Project/Area Number |
09771666
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
夏見 淑子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80237578)
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Keywords | 軟化根管象牙質 / 硬さ / 根管充填用シーラー / 再硬化 |
Research Abstract |
【目的】 根管充填された歯の根管象牙質の硬さが,未根管充填歯の硬さに比べて髄腔壁でやや高い値を示しており,セメントなどの根管充填用シーラーが何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆されたので,根管充填用シーラーが軟化根管象牙質の硬さに影響を及ぼすかどうかを実験的に調べた. 【材料および方法】 残根状態で抜去された歯に根管充填用シーラーを貼付したものと,しなかったもの(対照)の根管象牙質の硬さを,歯髄腔側からセメント象牙境まで象牙細管の走行に沿って測定し,経時的にも硬さを測定した. 【結果および考察】 1. 根管充填用シーラーを軟化根管象牙質に貼付することにより,根管象牙質の硬さは増加する傾向が認められた.その傾向は,歯髄腔側で特に強かった. 2. キャナルス,キャナルスNを貼付した場合,歯髄腔側での硬さは,1か月後,3か月後,6か月後と増加しており,およそ7〜8KHN増加していた. 3. カルビタール,FRを貼付した場合,根管象牙質の硬さは,1か月後,3か月後と増加していたが,6か月後には,あまり変化していなかった.歯髄腔側での硬さは,8〜9KHN増加していた. 根管充填用シーラーが軟化根管象牙質を再硬化させる効果を有することが示唆された.また,水酸化カルシウム製剤の場合,3か月までに根管象牙質は再硬化し,その後,硬さはあまり増加しないように思われた.
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