1998 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的側面から見たハンセン病患者の歯周病の病態解析
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09771668
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Research Institution | Osaka Dermatological Institute |
Principal Investigator |
大山 秀樹 (財)大阪皮膚病研究会, 研究員 (90280685)
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Keywords | ハンセン病 / 歯周病 / 免疫応答 / IFN-γ / INF-α |
Research Abstract |
我々は宿主防御機能に着目した新しい歯周病診断を確立するためのモデルとしてハンセン病患者の歯周病病態を把握することを目的に,1)ハンセン病病型を考慮した上でハンセン病患者の歯周病の病状を整理すること,2)EOP患者および健常者の歯周病細菌(A.actinomycetemcomitans,P.gingivalis,P.intermedia,C.ochracea,F.nucleatum)およびM.lepraeに対する末梢血単核球の応答性を評価することを行った。その結果は以下のとおりである。 1) L型患者349名およびT型患者86名について歯周病の病状を検診した結果,両病型の患者群間において平均ポケット深さ,plaque index,gingival indexおよび骨吸収率において有意な差は見られなかった。 2) T型患者のP.gingivalisに対する血清IgG抗体価はL型患者のそれに比べ,またL型患者のF.nucleatumに対する抗体価はT型患者のそれに比べ高い傾向にあった。 3) EOP患者由来末梢血単核球は健常者のそれに比べて,C.ochraceaに対して低い増殖応答性を示す傾向にあった。IFN-γはすべての患者において若干ながらも検出された。また,IL-6はEOP患者,健常者に関わらず高い産生性が認められた。IL-4はすべてにおいてまったく検出されなかった。また,患者および健常者のTNF-a産生について調べた結果,抗CD3抗体による非特異的な刺激時において,健常者に比べ患者の方がより多くのTNF-α産生を示すのに対し,歯周病細菌およびM.lepraeに対する特異的な応答においてはその逆であった。この結果は歯周病細菌とM.lepraeに対する応答の共通性をTNF-α産生性によって示すことができる可能性を示唆するものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hideki Ohyama et al.: "T cell rosponses W 53-KDa auter membrane protein of Porphyromonas gingivalis in humans with early-onset periodontitis" Human Immunology. 59. 635-643 (1998)
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[Publications] Hideki Ohyama et al.: 33rd US-Japan Cooperative Medical Science Program Tuberclosis-Leprosy Research Conference. (1998)
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[Publications] Hideki Ohyama et al.: "Roles of HLA classII molecules on fibroblasts" Journal of Dental Research. 78・special Issues. 266 (1999)
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[Publications] Hideki Ohyama et al.: "Human T cell responses to Major Membrane Protein II(MMPII)derived from Mycobacterium lepral" 32nd US-Japan Cooperative Medical Science Program Tuberclosis-leprosy Research Conference. 93-97 (1997)
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[Publications] 大山秀樹ら: "ヒト白血球型抗原(HLA)クラスII分子の拘束を受けたPorphyromones gingivalis 53KDa外膜蛋白のT細胞エピトープ" 日本歯周病学会誌. 40. 143 (1997)
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[Publications] 大山秀樹ら: "早期発症型歯周炎患者におけるP-gingivalis由来53KDa外膜蛋白に対するT細胞応答" 日本免疫学会総会・学術集会記録. 27. 357 (1997)