1997 Fiscal Year Annual Research Report
下顎歯列における咬合力の三次元的測定に基づく咬筋内各部の協調活動様式に関する研究
Project/Area Number |
09771672
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 佳功 東北大学, 歯学部, 助手 (40238035)
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Keywords | 咬合力 / 咬筋 / 咬みしめ / 筋電図 / 生体力学 / 感圧フィルム / 極細ワイヤ電極 / 針電極 |
Research Abstract |
本研究の目的は、咬筋内各部の活動様式を、種々の咬みしめ時に記録した下顎歯列における三次元咬合力の分布様式との関連において、検討することにある。下顎歯列ににおける咬合力の三次元測定法は、平成8年度文部省科学研究費の援助を受け、既に実用化を果たしていたが、測定精度など、改良を要とする箇所が残されていた。そこで本年度はその改良に取り組むとともに、両側および片側咬みしめ時の咬合力測定を試行した。また筋活動量の測定法に関して、侵襲的なワイヤー電極に代え、二次元的に配置された多数の小型表面電極による局所的筋活動記録法の導入を検討した。 これらの結果、咬合力方向の測定に関し、測定誤差を最大3度に抑えることが可能となり、精度の飛躍的向上がはかられた。正常有歯顎を有する24歳の成人男性を被験者として、両側咬みしめならびに左側片側咬みしめ時の歯列における三次元咬合力分布の測定を試み、成果を得た。この測定より、両側咬みしめ下、下顎に作用する咬合力の合力の左右側方成分はきわめて小さいことが判明した。局所的筋活動記録法に関する検討では、フィルタリングにより、記録範囲を種々に変化させうる可能性が示唆されたものの、多羽状構造を呈する咬筋の、深さの異なる部位から筋活動を記録することは不可能であり、従来法である極細ワイヤー電極、もしくは針電極の使用が必要であることが判明した。本年度の成果により、平成10年度の研究遂行を可能とする技術的要件は満たされ、被験者を増してさらなる研究を行う準備が整備された。
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