1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771678
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石鍋 聡 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10232323)
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Keywords | 全部床義歯 / 義歯床下粘膜 / 血流量 / 圧負担分布 / 荷重センサ / 温度センサ |
Research Abstract |
本研究は,荷重前後の床下粘膜の末梢血液循環の変化を,下顎顎堤部を中心にレーザードップラー血流計を用いて計測し,下顎義歯床下における負担圧分布を定性的・定量的にとらえることを目的とする。平成9年度の研究は以下の順序で行った。 1.実験義歯の製作 2.安静時における義歯床下粘膜の血流量の計測 3.荷重時の義歯床下粘膜の血流量の計測 本研究においては,実験義歯が血流量の変化・床下粘膜厚径計測のテンプレートを兼ねているため,以下の点に注意して慎重に製作した。前歯部からプローブの挿入が可能となるように臼歯部のみに咬合堤を付与し,床用レジンは適合性に優れているイントプレスを用いた。荷重量を最大咬合力に規定できるように下顎実験義歯の左右第1大臼歯相当部に小型荷重センサを設置し,センサの受圧部のみで上顎実験義歯と咬合するように調整した。また,粘膜表層の血流量は温度変化に大きく影響されるので,下顎実験義歯の第2小臼歯舌側床翼部に温度センサを組み込み粘膜表面の温度をモニタリングできるようにした。同一部位を繰り返し計測できるように下顎実験義歯の各計測部位にはプローブホールを設けた。計測部位は,以下に示す9点である。aは左右中切歯の中点,b,cは左右犬歯相当部,d,eは左右小臼歯相当部,f,gは左右第1大臼歯相当部、h,iは左右頬棚相当部である。この実験義歯を用いて測定をおこなった結果,安静時粘膜血流量は各計測部位でほとんど相違がないのに,荷重時の粘膜血流量は,a,b,cで他の部位より低い値を示した。言い換えると,この範囲において荷重時の粘膜沈下率が他の部位より大きいことを示唆するものである。 臨床において床下粘膜を健康な状態に維持するためには、義歯の"あたり"がでると予想される部位(粘膜沈下率が大きい部位)にリリ-フを設けることが大切である。平成10年度は本実験の結果を活用し,下顎顎堤の負担圧分布を定性的・定量的に検討し,適切な圧負担を配分するための方法について考察する。
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