1997 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼時の食物の流れと咬合面形態の関連性に関する研究
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09771683
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木戸 寿明 新潟大学, 歯学部, 助手 (00282989)
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Keywords | 咀嚼 / 咬合面形態 / 咀嚼能率 |
Research Abstract |
〈目的〉咬合面形態の変化が食物動態にどのような変化をもたらすかを検討するにあたり,結果を評価するためのコントロール群が必要である.そこでこれまでに,正常な対合関係を有するものについて,上下顎歯の対合間隙が機能運動中にどのように変化するのか明らかにし,咬合面形態の変化を評価するための対照群とすべくこれまでに検討を行っている. 〈方法〉被験者として顎口腔系に異常を認めず,歯冠修復の施されていない臼歯部の対合関係がAngle I級の被験者成人4名について左右の計8側の歯列について,側方滑走運動時の対合間隙の変化を測定した.測定にあたって,下顎任意点運動測定システムより得られた運動データと,咬合面形状計測システムより得られた形状データより上下顎歯間の距離を計測し,評価を行った. 〈結果および今後の課題〉下顎側方位における上下顎臼歯部の対合間隙は,第1大臼歯においては,近心舌側方向へと開く傾向が認められ,第2小臼歯においては遠心舌側方向へと開く空間が出現することが明らかとなった.さらに,側方位から咬頭嵌合位へ閉口するに従い対合距離が大きかった領域が非常に近接した状態となり,空間が消失する傾向が認められた.従って,健常者では第1大臼歯と第2小臼歯間に咀嚼中に圧搾粉砕された食物が集積することが示唆される結果となった.今後この結果をコントロール群として,咬合面形態を変化させた群との対比を行っていく予定である.
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