1998 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電磁場刺激がヒト正常骨由来骨芽細胞様細胞の細胞増殖因子に与える影響-特にBone morphogenetic protein(BMP)の遺伝子発現に関する研究-
Project/Area Number |
09771706
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
越智 守生 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50169322)
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Keywords | 口腔インプラント / 骨形成 / PEMFs / BMP / 細胞増殖 / in vitro |
Research Abstract |
これまでに,インプラント埋入後の治癒機転を加速する試みとしてパルス電磁場刺激(以下.PEMFs)の応用を試み,新生骨形成促進効果があることや骨芽細胞のBMP-2,-4,-5のmRNAの発現を増強する効果を確認してきた.今回は,PEMFsのヒト正常骨由来骨芽細胞様株(SV-HFO)に対するBMPのmRNAの発現機序,BMPタンパクレベルでの検索ならびにその他のグロースファクターの発現に与える影響について検索した. (1) 磁場強度0.3mT,パルス幅25μ sec,周波数100Hzのパルス電磁場刺激を1〜6時間作用させたSV-HFO細胞では,いずれにおいてもPGE2の産生には有意な影響は認められなかった. (2) BMP-2、-4、-5のいずれのバンドにおいてもPCR 35 cycle時までの発現で有意な差は認められなかった。パルス電磁場刺激を6時間作用させたときのconditioning mediumはSV-HFO細胞のBMP-2、-4、-5のmRNAの発現には影響を及ぼさなかった。 (3) EGTAによりPEMFsによるBMPsのmRNAの発現がブロックされたことにより細胞外カルシウムがPEMFsの機序の一部に関与していることが示唆された. (4)ウエスタンブロット,ドットブロット法によるBMPsのタンパクレベルでの検索ではわずかにBMP-2が増強されている傾向が見られたが,発現が微量であり今後さらに実験試料の濃縮化しての再度検討が必要であることが示唆された. (5) その他のグロースファクターのmRNAの発現について検索したところ,TGF-βIの増強がPEMFs開始後6時間から確認された.
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