1997 Fiscal Year Annual Research Report
ステイン処理後のオールセラミックス材料の機械的性質向上への検討
Project/Area Number |
09771712
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
古谷 彰伸 昭和大学, 歯学部, 助手 (40266177)
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Keywords | キャスタブルセラミックス / ステイン材 / 曲げ強度 / 臨床歯冠形態 |
Research Abstract |
キャスタブルセラミックス(オリンパス光学工業,以下OCCと略す)の表面処理条件が表面性状および機械的性質に及ぼす影響を検討してきたが,これまでの研究に使用しなかったキャスタブルセラミックスシステム(YataCasmic,Crys-Csra)についても同様に機械的性質を測定し,各システムの特性を明らかにするために比較検討を行った.YataCasmicはアズキャスト試料から研磨試料にかけて曲げ強度の向上がみられ.さらにステイニング処理をするとOCCとは逆に有意に強度の向上が確認された.Crys-Csraはアズキャスト試料から研磨試料にかけて曲げ強度の低下がみられ,さらにステイニング処理をすると有意に強度の低下が確認された.各キャスタブルセラミックスの結晶構造や組成の違いが影響していると考えられる. OCCの臨床歯冠形態の前歯部オールセラミッククラウンの機械的性質に及ぼす影響について明らかにする目的で研磨処理のみ行った試料,ステイニング処理を施した試料の破壊強度を比較検討した.ステイン材としてNoritake Super Porcelein Titanを使用した.前歯に全周ショルダー形成した支台歯上に,OCC製オールセラミッククラウンを標準プログラムに従い鋳造,作製した.セラミング温度は900℃とした.各試料内面をシランカップリング処理(クリアフィルポーセレンボンド,クラレ)した後,化学重合型接着性レジンセメント(パナビア21,クラレ)にて金属支台に合着した.加圧子にて舌側基底結節部中央に歯軸45℃の角度で荷重を加え,セラミックが破壊した荷重を破壊強度とした. ステイニング試料の破壊強度は研磨試料と比べて減少した.ステイン材自体の機械的性質が大きく影響していることが示唆され,ステイニングが必要な歯牙に対するOCCの適用に考慮が必要と思われた.
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[Publications] 古谷彰伸: "キャスタブルセラミックス(ヤタキャスミック【encircledR】)の表面処理条件が表面性状および機械的性質に及ぼす影響" 日本補綴歯科学会誌. 41・97回特別. 158 (1997)
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[Publications] 古谷彰伸: "キャスタブルセラミックス(クリセラ)の表面処理条件が表面性状および機械的性質に及ぼす影響" 日本補綴歯科学会誌. 41・98回特別. 109 (1997)