1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯列を含むダイナミックパラトグラフィーとソナグラムの同期解析
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09771714
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
徳富 清美 昭和大学, 歯学部, 助手 (90266172)
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Keywords | ダイナミックパラトグラフィー / 舌接触パターン / 口蓋板 / 調音運動 / ソナグラム / 無歯顎者 / 時間的要素 / 文章発音 |
Research Abstract |
1, 研究目的 発音時の舌と口蓋および歯列との接触形態の適否は、調音に重要な意味がある。そこで本研究では、音声分析パターン(3D-Sonagraph)と連動するダイナミックパラトグラフィーを用いることにより、文章発音中の舌の調音運動パターンと子音産生のタイミングを正確に比較、検討した。また、無歯顎者(同意を得た)についての歯列および口蓋と舌の接触様式と経時的な推移を求め、当教室で求めた標準パターンと比較した。 2, 研究計画・方法 (1)被検者:上下全部床義歯装着者(1名)(2)被検音;[桜の花が咲きました](3)記録解析方法:口蓋およひ歯列の基底結節および舌側咬頭に計96個の電極を配列した口蓋板を被験者の口腔内に装着し、音声と同時にPalatometer(Model 6300:KAY社)により舌接触パターンを記録する。このシステムでは即時に得られた音声のspectrogram(ソナグラム)と舌接触パターンの画面がリンクしており、カーソル位置に対応する経時的な舌接触位置の変化を観察できる。さらに、データをCSL(Computerized Speech lab,Model 4300B:KAY社)に転送し、各子音についてCSL画面のソナグラフ上で“構え",音発生,舌の最大接触、音終了点などを判別する。そして、個々の電極について全被験者での接触の頻度(%)を集計する。(4)被験音中で口蓋に調音点を持つ子音、すなわち[s,k,r,n,f,t]について、舌接触の標準パターンと音発生時点に対する最大接触時点などの時間的な関係を求める。 3, 結果と考察 (1)無歯顎者の舌接触パターンについて:[s,f,t]では接触範囲は広いものの、有歯顎者と同様のパターンを示した。[ki]の[k]では、硬口蓋の広範囲に接触する特異なパターンであった。(2)時間的要素の比較:無歯顎煮では、[ki]の“構え"から“最大接触“までの時間が有歯顎者より短く、そのため音全体の持続時間も短い。以上のように本システムでは、パラトグラム、音声波形、ソナグラムが完全に同期し、相互の時間的関係を精密に観察でき、患者の機能評価に応用できることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 望月美佳: "歯列を含むダイナミックパラトグラフィーとソナグラムの同期解析" 日本補綴学会雑誌. 40巻96回 特別号. 44 (1996)
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[Publications] 望月美佳: "歯列を含むダイナミックパラトグラフィーによる文章発音中の解析" 日本補綴学会雑誌. 41巻98回 特別号. 81 (1997)
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[Publications] 山縣健佑: "無歯顎者の咀嚼時の切歯点、オトガイ、モダイオラスの運動経路の比較" 昭和歯学会雑誌. 17(3). 223-245 (1997)
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[Publications] 望月美佳: "文章発音中における歯例を含むダイナミックパラトグラフィー" 日本補綴学会雑誌. 42(5). 847-856 (1998)
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[Publications] 望月美佳: "全部床義歯装着者の文章発音中におけるダイナミックパラトグラフィー" 昭和歯学会雑誌. 19(1). (1999)