義歯性口内炎に対する銀系無機抗菌剤の抗菌効果に関する研究(主としてCandida albicansに対して)

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09771721
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 小林 平 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20267107)
• Keywords: 銀糸無機抗菌剤 / Candida albicans / レジン

Research Abstract

義歯装着者において見られる義歯性口内炎の原因微生物として重要視されている.Candida albicansに対する銀系無機抗菌剤であるノバロンAG300^<TM>(東亜合成化学)の抗菌効果および床用レジンに添加した際の抗菌効果ならびにレジンの変色,物性について研究を行ない以下の結果を得た。
1.C.albicansに対するノバロンAG300^<TM>のMICは500μg/m/であった.
2.ノバロンAG300^<TM>抗菌作用はC.albicansのgrowing cellおよびresting cellに対して,いずれも殺菌的であった.
3.ノバロンAG300^<TM>のC.albicansに対する抗菌効果は振盪速度を遅くする事により殺菌効果は低下した.
4.ノバロンAG300^<TM>添加レジン片表面においてその濃度に依存して、C,albicansに対して殺菌効果が認められた.
5.ノバロンAG300^<TM>濃度が5wt%以下であればレジンの曲げ強さはほとんど影響を受けなかった.
6.ノバロンAG300^<TM>義歯床への添加による有用性をインプリントカルチャー法により検索した結果,Candida属菌の顕著な発育阻止が認められた.

Research Products

• [Publications] 小林 平: "銀糸無機抗菌剤C・NOVARON AG300^<TM>の床用レジンへの応用-特にCandida albicansに対する抗菌作用" 日大口腔科学. 23. 285-294 (1997)
• [Publications] 小林平,後藤治彦ほか: "銀糸無機抗菌剤の歯科補綴領域への応用第7報NOVARONAG300^<TM>の床用レジンへの添加" 日本補綴歯科学会雑誌. 41・特. 54- (1997)