Research Abstract |
本研究の目的は,各種習慣性咀嚼側の評価法において,それぞれに特色を生かした最も適切な評価法を確立することである.また,それを基準とし,青年期の咀嚼機能の成長変化を評価し,実際の歯科補綴臨床の場に生かすことである. 被験者は機能的にも形態的にも正常な咬合を有する22〜23歳の男女20名である.習慣性咀嚼側は,以下の各咀嚼機能因子より算出された側性係数を用いて,主成分分析を応用することにより総合評価された. 各咀嚼機能因子は,左右それぞれの,ガム咀嚼10ストロークによるサイクルタイムの変動係数,30ストローク自由咀嚼中のストローク数,最大クレンチング時の,50%クレンチング時,10%クレンチング時における,咬合力、咬合接触面積と咬筋筋電位,そして,アンケートによる咀嚼側の調査結果である. ガム咀嚼分析にはsaphon(Sato medical electro-production,Tokyo,Japan),咬合力,咬合接触面積分析にはdental prescale及び,occluzer(Fuji film Co,Tokyo,Japan),筋電位分析にはmuscle balance monitor(GC Co,Tokyo,Japan),が用いられた. そして,側性係数が以下の式により算出され,主成分分析が統計ソフトNAPにより行われた.Lateral quotient(LQ)=(Right-Left)/(Right+Left+Both)×100(%) 主成分分析の結果,習慣性咀嚼側は4つの因子,クレンチング時咬合因子,弱クレンチング因子クレンチング時筋因子咀嚼因子を用いて評価できることが確認された.また,主成分得点を算出することにより,個々の被験者の習慣性咀嚼側の総合評価が可能となった.
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