1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771741
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新田 康隆 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80250794)
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Keywords | リポゾーム製剤 / LPS / マクロファージ |
Research Abstract |
骨吸収抑制剤:Dichloromethylene bisphosphonate(CI2MBP)を封入したリポソーム製剤をマウスに投与すると肝臓及び脾臓のマクロファージ系の細胞を除去できる。この方法を用いて肝転移性マウス可移植性腫瘍細胞RL♂1に対するIL-12とLPSの抗腫瘍効果のおけるKupffer細胞の役割について検索するため以下の実験を行った。 腫瘍細胞RL♂1を尾静脈より接種し、各群生存日数で抗腫瘍効果を評価した。リポソーム製剤は、CI2MBPを封入したCI2MBP-LiposomeとPBSを封入したPBS-Liposomeの2種類を作製し、腫瘍接種48時間前に尾静脈から投与、IL-12とLPSは24時間前に腹腔内投与した。生存日数は、非投与群:13.0±1.0日、CI2MBP-Liposome投与群:12.7±0.8日、PBS-Liposome投与群:13.0±1.0日で、生存日数にリポソーム製剤投与は関与しなかった。一方、IL-12投与群:25.7±5.3日、LPS投与群:18.4±1.5日といずれも抗腫瘍効果を認めた。CI2MBP-Liposome+IL-12投与群:24.9±5.5日に対し、CI2MBP-Liposome+LPS投与群:13.2±1.3日とLPSの抗腫瘍効果は全く認めなかった。以上の結果から、LPSはKupffer細胞に作用し、抗腫瘍効果を発現していると考えられる。次に、LPSとCI2MBP-Liposomeを非担癌マウスに投与し、その血清中のIL-12とInterferon g(IFN γ)をELIZAで定量した。IL-12は、いずれの群でも検出できなかった。IFN γは、非投与群、CI2MBP-Liposome投与群では検出されず、LPS投与群:743.8±230.0pg/mlと産生を認めた。しかしCI2MBP-Liposome+LPS投与群:1367.0±1448.3pg/mと予想に反しLPS単独投与より高値を示した。以上の結果からKupffer細胞の役割は解明できなかったが、さらに担癌状態での、サイトカイン及び遺伝子の発現に関し検索中である。
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[Publications] M.Shibazaki,M.Nakamura,Y.Nitta,Y.Endo: "Displacement of platelets from blood to spleen following intravenous injection of liposomes encapsulating dichlovomethylene bisphosphonate" Immunopharmacology. 39. 1-7 (1998)
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[Publications] M.Nakamura,M.Shibazaki,Y.Nitta,Y.Endo: "Translation of platelets into Disse spaces and their entry into nepatocytes in response to lipopolysaccharides,interleukin-1 and Tumor necrosis…" Journal of hepatology. 28. 991-999 (1998)