1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔外科手術をともなう全身的炎症反応の制御に関する研究
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09771759
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 卓也 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (00219825)
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Keywords | 口腔外科 / 手術侵襲 / インターロイキン6 / 遺伝子発現 / RT-PCR / ベンゾジアゼピン / プロスタグランジン |
Research Abstract |
本研究の目的は、口腔外科手術侵襲に伴うサイトカイン反応を薬剤投与によってどのように制御できるかを検討することである。本年度は、一般に臨床使用されており、制御できる可能性のある薬剤として、ペンゾジアゼピン系薬剤、プロスタグランジン製剤について検討した。1-1. ペンゾジアゼピン系薬剤(ミダゾラム) 1) 対象:健康成人ボランティア(研究前にインフォームド・コンセントを得た。) 2) 方法:ミダゾラム0.075mg/kg静脈内投与し、投与前、投与後30、60、90分に採血 血中IL-6レベルの測定:ELISA法(最低検出感度0.7pg/ml) 単核球中IL-6mRNAの定量測定:totalRNA抽出・cDNA合成・競合的RT-PCR l-2. プロスタグランジン製剤(PGEl) 1) 対象:口腔外科手術を受けた患者(術前にインフォームド・コンセントを得た。) 2) 方法:術中PGElを0.1〜0.15microgram/kg/minで持続投与し、麻酔導入前、PGEl投与直前、投与後30、60分、投与終了時、投与後2時間に採血 血中IL-6レベルの測定:ELISA法(最低検出感度0.7pg/ml) 2. 結果 1) ペンゾジアゼピン系薬剤であるミダゾラム投与によって血中IL-6レベルに変化はみられなかったが、単核球中IL-6mRNA発現量は投与前と比較して投与後30分に有意な上昇がみられた。 2) プロスタグランジン製剤であるPGEl投与によって、血中IL-6レベルは非投与群と比較して、有意な上昇がみられた。 以上の結果より、ペンゾジアゼピン系薬剤・プロスタグランジン製剤の両者,ともin vivoにおいては逆にサイトカイン反応を増加させる結果になった。今後、生体の間接的な影響も十分考慮する必要があると考えられた。
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