1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771760
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前田 耕作 広島大学, 歯学部, 助手 (30231583)
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Keywords | 口腔扁平苔癬 / IL7 / IL7R / KGF / 唾液腺 / 唾液 |
Research Abstract |
1.IL7、IL7Rの正常口腔粘膜上皮および口腔扁平苔癬病変部での発現 (1)IL7は正常頬粘膜および口腔扁平苔癬病変部とも上皮全層で発現していた。 (2)IL7Rは正常頬粘膜および口腔扁平苔癬病変部とも、上皮下結合織内の単核球に発現していた。特に、口腔扁平苔癬ではIL7R陽性単核球が多数みられた。なお、このIL7R陽性単核球はCD45RO陽性細胞であった。 2.KGFの正常口腔粘膜上皮および口腔扁平苔癬病変部での発現 正常頬粘膜および口腔扁平苔癬病変部とも上皮全層および上皮下結合識内の単核球の一部と線維芽細胞に発現していた。特に、口腔扁平苔癬では基底細胞直下の単核球に陽性のものが多くみられた。 3.口腔扁平苔癬患者の唾液腺の変化 口腔扁平苔癬患者の口唇腺には、主に導管周囲にCD45RO陽性細胞の浸潤がみられた。また、口腔扁平苔癬患者の耳下腺唾液、顎下腺舌下腺唾液ともIL1α、IL6、IL8濃度が健常者に比べ、有意に高値を示した。 以上、1、2よりケラチノサイトと上皮下結合織内の単核球(主にTリンパ球)間にIL7、KGFのサイトカインを介しての相互作用のある可能性が示された。口腔扁平苔癬では、この関係に変化が生じて発症する可能性が考えられる。 3より口腔扁平苔癬患者では、口腔のみならず、唾液腺組織にもTリンパ球の浸潤が認められることから、全身性疾患である可能性が示唆された。
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