1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771761
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
寶田 貫 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70274107)
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Keywords | 全身麻酔 / 術中低体温 / レーザードプラー血流計 / 体温調節性血管収縮 / 再分布性低体温 |
Research Abstract |
本研究で注目している再分布性低体温は,体内における熱の中枢から末梢組織への再分布によるものと考えられている。麻酔導入時の熱の中枢から末梢へのシフトを観察するため、中枢温、末梢皮膚温、平均皮膚温(Ramana thanの4点法による)、末梢血流量を測定した。 [結果] 1.麻酔導入前の低温環境により、手術室入室時の患者の末梢皮膚温は低下しており、平均皮膚温も低値であった。レーザー血流計による末梢血流量の測定により血流量の減少が観察され、体温調節性の末梢血管収縮を血流測定により確認することができた。 2.麻酔導入直後より末梢皮膚温は上昇し、平均皮膚温も上昇した。レーザー血流計による末梢血流量測定では、末梢血流は麻酔導入直後より急激に増加し高値を示した。この血流量の変化は皮膚温の変化に先行して認められた。 [考察および今後の展開] 麻酔薬の直接作用による末梢血管の拡張は,レーザー血流計による末梢血流量の変化を観察することにより確認できることが示唆された。また、熱の中枢から末梢へのシフトの開始、すなわち再分布性低体温の開始は、レーザー血流計による末梢血流量の急激な増加の時期に一致する可能性が推測された。 今後、レーザー血流計にて末梢血流量の変化を観察すること、それに続いて起こる末梢皮膚温と中枢温の変化を観察することにより、末梢血管の血流量の変化がどのように中枢温の低下に影響を及ぼすかを追求していきたい。
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