1997 Fiscal Year Annual Research Report
脱神経筋の筋膜内への神経移植による筋機能の回復に関する研究
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09771780
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
高田 訓 奥羽大学, 歯学部, 助手 (40254875)
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Keywords | 顔面神経 / 組織化学 / 神経移植 |
Research Abstract |
研究目的:様々な侵襲によって神経支配が不明となり、感覚障害や運動障害を起こす場合がある。これらの障害を軽減させる新たな手段や術式を確立する事を目的とし、脱神経筋の萎縮経過と再神経支配筋の回復経過について組織学的、組織化学的に検索する事を目的に研究を開始した。 実験および検索方法:実験動物には日本白色種ウサギを用い、顔面神経表情筋枝の支配筋である頬骨耳筋を実験に用いた。正常な頬骨耳筋を対照に、実験1では支配神経に損傷を加えずに頬骨耳筋を露出した群、実験2として頬骨耳筋の露出に加え支配神経を切断し脱神経筋とした群、実験3として脱神経筋となった頬骨耳筋に対し、顔面神経口輪筋枝を移植し再神経支配筋とした群とした。検索として実験後に頬骨耳筋を摘出し、H-E染色、Gomoriトリクローム染色およびATPase染色を行い鏡検し、頬骨耳筋の筋線維タイプ構成比率について検索した。 交付申請書より変更した内容:申請では実験方法として脛骨神経支配とヒラメ筋と深腓骨神経支配の長趾伸筋(EDL)を用いる予定であったが、ラット大腿部の解剖を行った結果、脛骨神経と深腓骨神経の完全な露出は不可能であった為、顔面神経表情筋枝の支配筋である頬骨耳筋を実験に用いた。 結果および展望:対照と実験1の群では筋線維の萎縮や異常な組織所見はなく、実験2と実験3の群ではタイプ2C線維の出現と筋線維の萎縮が確認できた。今後はこれらの検索を継続するとともに、アセチルコリン活性や免疫組織学的(NGF,PGP、Brdu)な検索と電気生理学的(筋電図)な検索を加える予定である。
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