1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771782
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田上 亜紀 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30276373)
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Keywords | substance P / セロトニン / 筋性顎関節症 / 中枢性筋緊張抑制障害 |
Research Abstract |
平成9年度研究実績 筋性顎関節症患者におけるSP、5-HTの測定 1,目的 顎関節症への中枢神経系の関与を検討することを目的に、特に筋症状を主とする顎関節症において血小板内神経伝達物質の変動を測定し、健常者および一般顎関節症患者と比較検討した。 2,研究対象:未治療の顎関節症患者を筋性顎関節症群と筋症状を有しない(非筋性)顎関節症群に分けて対象とした。さらに、健常者をコントロール群とした。 3、評価および検討方法:筋性顎関節症患者の血小板内セロトニン(5-HT)値および血小板内substanceP(SP)値を、筋症状を有しない顎関節症群および健常者群と比較した。 4,結果 筋性顎関節症患者の血小板内5-HT値は正常者に比較して低値であった。しかし、非筋性顎関節症患者と比較すると、明らかな差が認められなかった。 血小板内SP値は筋性顎関節症患者では正常者に比べて増加しているが非筋性顎関節症患者とは差が認められなかった。 5,考察 これらの筋性顎関節症患者におけるセロトニンの結果は緊張型頭痛患者の結果と類似しており、中枢でのセロトニンの減少状態が末梢の低値を引き起こしている可能性が考えられ、筋性顎関節症の発現に中枢でのセロトニンの関与、疼痛制御機構の障害が何らかの影響を及ぼしていることが考えられる。また、SPの結果からは、三叉神経終末から放出されたSPが血小板内に取り込まれた結果によるものと考えられ、三叉神経系の賦活された状態が存在するものと考えられている。
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