1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771785
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
代田 達夫 昭和大学, 歯学部, 助手 (60235760)
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Keywords | 糖尿病 / 人工歯根 / ストレプトゾトシン / ラット |
Research Abstract |
人工歯根を糖尿病患者へ適用する場合の臨床上の指針を得るために糖尿病モデルラットにおけるインプラント体埋入後の骨反応について組織学的に検討した。 12週齢のWistar系ラットのラットに50mg/Kgのストレプトゾトシンを腹腔内に注射し,7日目に血糖値を測定した。そして血糖値が400mg/dl以上あるものを糖尿病ラットとして本実験に用いた。また,ストレプトゾトシンの溶解液のみを注射し,7日間経過さたものを対照とした。埋入材料は直径2mm,長さ3mmの純チタン製スクリューをインプラント体として用いた。糖尿病および対照ラットの両側脛骨近位骨幹端部にインプラント体を埋入し,術後7,14,28および56日目に屠殺して脛骨を摘出した。摘出した脛骨は,固定,脱水を経てグリコールメタクリレートにて包埋し,EXAKT Cutting Grinding Systemにて厚さ約50μmの非脱灰研磨標本を作製してマイクロラジオグラムを作成・記録した。次いで,再度厚さ約15μmまで研磨調製してトルイジンブルー染色を施して組織学的に観察した。また,全自動画像解析装置を用い,インプラント体周囲の相対骨量およびインプラント体と新生骨との接触率の経時的変化を骨形態計測学的に観察した。 その結果,糖尿病ラットでは埋入に伴いインプラント体周囲に新生骨梁が形成され,また,術後56日目にはインプラント体表面の広い範囲が新生骨によって覆われていた。しかし,対照群に比較すると新生骨量やインプラント体と新生骨との接触範囲は比較的少なく,また,インプラント体周囲の海綿骨梁はすう疎化する傾向が認められた。
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