1997 Fiscal Year Annual Research Report
顎舌骨筋筋紡錘求心線維の形態学的および電気生理学的特徴について -HRP神経標識法による検討-
Project/Area Number |
09771807
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
安田 浩一 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30230220)
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Keywords | 三叉神経 / 中枢路核 / 筋紡錘 / 開口筋 / 電子顕微鏡 / 細胞内標識法 / 顎舌骨筋 |
Research Abstract |
顎舌骨筋の筋紡錘を支配する三叉神経中脳路核(Vmes)ニューロンの形態的・機能的特徴について、以下の方法によって検討している。 1)Horseradish peroxidase(HRP)細胞内標識法と細胞内電位記録法 顎舌骨筋枝への電気刺激、もしくは顎舌骨筋の伸張によって発生する活動電位を指標にして同定される顎舌骨筋筋紡錘VmesニューロンのHRP細胞内標識と、細胞内の電位記録を試みている。今後は、細胞内標識法によってHRPに標識された顎舌骨筋筋紡錘Vmesニューロンの脳幹における投射部位について、形態学的な解析を行う予定である。 2)電子顕微鏡学的観察 抹消神経(顎舌骨筋枝)にhorseradesh peroxidase-wheatgerm agglutinin(HRP-WGA)に注入することによって標識された顎舌骨筋筋紡錘Vmseニューロンとその周囲の微細構造について、電子顕微鏡によって観察している。平成9年度の研究成果としては、顎舌骨筋筋紡錘Vmesニューロンが、上位中枢ニューロンなどの他のニューロンからの入力を受けることを示唆する。今後さらに詳細な会席を行い、顎舌骨筋筋紡錘Vmesニューロンの細胞体表面は凹凸不整で、棘様の突起が多数存在することが明らかになるとともに、この細胞体と他のニューロンの終末とのシナプス接合が観察された。この結果は顎舌骨筋筋紡錘Vmesニューロンが、上位中枢ニューロンなどの他のニューロンからの入力を受けることを示唆する。今後さらに詳細な解析を行い、顎舌骨筋筋紡錘Vmesニューロンがどのような入力をうけているかを検討する必要がある。
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