1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771808
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 康弘 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学・第一講座, 助手 (90281477)
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Keywords | 低出力レーザー / 星状神経節 |
Research Abstract |
当講座では三叉神経痛、三叉神経麻痺、末梢性顔面神経麻痺などの治療を行っているが、1989年から治療の中に低出力レーザー照射を採り入れ、効果を得ている。特に末梢性顔面神経麻痺症例についてはステロイド剤、消炎剤、組織賦活剤などの投与や星状神経節ブロックが行われているが、従来からの薬剤注入による星状神経節ブロックは気胸、反回神経麻痺、薬剤の血管内注入などの不快事項が生ずる可能性があるため、当講座においては星状神経節相当部・乳様突起部に低出力レーザーを照射し、神経麻痺の改善を臨床的に認めている。この作用機序を解明することを目的とし、発振波長の異なる2種類のレーザー(波長810nmのモリタ製作所試作Ga-Al-As半導体レーザーDSL-1000、波長1060nmのS.L.T.Japan社製Nd:YAGレーザー)を用い、各を低出力レーザーの範疇である出力(300mW)に設定し、健常者ボランティア各10名の左側星状神経節に照射し、顔面皮膚温度変化、収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍数を測定、経時的な血中カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)を測定し、発振波長の違いによる比較検討を行い、1.Nd:YAGレーザーの方が皮膚温度変化が大きかった。2.レーザー照射による皮膚温度変化がみられた群とみられなかった群が存在した。3.レーザー照射による皮膚温度変化がみられた割合はNd:YAGレーザーが多く、また、レーザー間に時間的経過に差がみられ、レーザーの波長、組織深達性、感受性の違いの関与が考えられた。4.レーザー照射による皮膚温度変化がみられた群では、アドレナリン、ノルアドレナリンの低下傾向がみられ、交感神経系の活動低下による反応の関与が考えられた。という結果を得て、第51回愛知学院大学歯学会、第9回日本レーザー歯学会にて報告した。
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