1997 Fiscal Year Annual Research Report
Prevotella intermediaのβ-lactamase 誘導機構の解析
Project/Area Number |
09771812
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
松本 和浩 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90239096)
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Keywords | β-lactam薬 / 嫌気性グラム陰性桿菌 / Prevotella intermedia / β-lactamase / 誘導 |
Research Abstract |
閉鎖性腫瘍内容物から分離した黒色色素産生性嫌気性グラム陰性桿菌を標準株とのDNA相当性値からPrevotella intermediaと同定した.β-Lactamase産生性をニトロセフィンで確認後,24時間trypticase soy brothで培養し,β-lactamaseを抽出した.β-lactamase活性は,基質CEZとABPCを用いてUV法で調べた.MICは化学療法学会標準法の微量液体希釈法で調べた. これらの結果から,β-lactamase産生性を低度産生株(≦10mU/mg・protein),中度産生株(10〜50mU/mg・protein)および高度産生株(≧50mU/mg・protein)に区別し,それぞれ5,5および10株を誘導実験に供した.β-Lactamase活性の誘導は細胞形態にほとんど異常をきたさない濃度のpenicillinsとcephemsを添加して,4と15時間後にβ-lactamaseを抽出して,活性を測定した.β-lactamase活性の誘導は,ABPC,PIPC,CEZ,CEX,CCL,LMOX,IPMおよびAZTで認められたが,CMZでは検出されなかった.誘導の程度は基質CEZの時,薬剤無添加に対して1.1〜2.3倍,基質ABPCの時同じく1.1〜2.3倍であった.β-Lactamase産生株と誘導の程度を比較したが,現在のところ,低,中および高度の産生性によって誘導に差違は見られなかった. 酵素活性の誘導能の高かったβ-lactam薬と菌株を用いて,β-lactamase産生量をSDS-PAGEを用いて調べた.まず,抽出した酵素を2% streptomycin処理後,DEAE-celluloseカラムとsephacryls-100H Rカラムで精製した.粗酵素と精製した酵素をともにSDS-PAGEで電気泳動後,ニトロセフィンで染色し,発色帯の濃度を比較したが,β-lactamase産生量が増加したとの結果は得られなかった.精製法の検討も含めて,誘導が酵素量なのか,活性の変化なのかを検討中である.
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