1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入によるS.mutansでのグルカン合成の抑制
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09771821
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大久保 留加 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70232593)
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Keywords | 不溶性グルカン / 転写開始因子 / 調節遺伝子 / S.mutans / gtfB / gtfC / GTF |
Research Abstract |
第一に、S.mutansのグルカンを産生および糖質代謝に関与するExoenzymeである、Glucosyl transferases (GTFs),Fructosyl transferase (FTF),Invertaseの発現についてを調査することにした。これらのExoenzymeをコードする遺伝子のプライマーを作成し、種々のショ糖濃度で培養したS.mutans MT8148株のTotal mRNA中とノーザン、デンシトを行った結果、GTFsおよびFTFは濃度依存的に発現量が増加するが、Invertaseの発現量はショ糖濃度に依存しないことが判明した。その後、RT-PCR法等を用い、これら3つの酵素の構造遺伝子を選択し、これらをコードする遺伝子を発現ベクターを利用する系に導入し、ショ糖を含む培地で培養し、不溶性粘着性グルカンを産生したMutantを選択した。選択した遺伝子の塩基配列をDideoxy法にてシークエンスをし、遺伝子バンクと照合したところ、当初の予想通りgtfB,gtfCがコードされていることが確認された。また、この2つコードする遺伝子は隣接して存在していることが判明した。現在は、この2つの遺伝子の上下流域を含む種々の長さの調節遺伝子を調整し、CATレポーター遺伝子とを融合させている段階である。またこれと並行して、これら上下流域の遺伝子と結合する転写開始因子の存在を確認するため、S.mutansより蛋白質の抽出を行っている段階である。
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