1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性菌のペリクルへの付着を阻害するペプチドの連鎖球菌への遺伝子導入と発現
Project/Area Number |
09771829
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片岡 宏介 大阪大学, 歯学部, 助手 (50283792)
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Keywords | 歯周病原性菌 / Porphyromonas gingivalis / プロリンリッチプロテイン / 線毛 / シャトルプラスミドベクター / 形質転移 |
Research Abstract |
有力な歯周病原性細菌と考えられているPorphyromonas gingivalisは、その主たる付着因子である線毛を介して特定の唾液タンパク質と強固な結合をすることにより、口腔内での定着を果たしていると考えられている。我々は、既にP.gingivalis線毛がペリクル中の主たる唾液成分であるProline-rich protein(PRP1)に対して特異的な強い結合能を有しており、特に、同タンパクの最後尾のカルボキシル末端部分において、強く結合することを報告した。本研究では、Streptococcus gordoniiにより認識されることが明らかとなっているStreptococcus doweneiのもつgtfI遺伝子のプロモーターおよびシグナルペプチドを、PCR法により増幅、精製した。また、PRP1のアミノ酸残基130-150残基に相当する核酸配列を有する合成オリゴヌクレオチドを作製し、タ-ミネーター配列部は、Escherichia coli由来のrrnB T1T2配列を切り出した。pUC19プラスミド中で、上流から「プロモーター、シグナルペプチド、PRP1ペプチド遺伝子、タ-ミネーター配列」をもつDNAフラグメントを構築し、E.coliJM109にトランスフォーメーション後、振盪培養器により培養し、培養菌よりpUC19プラスミドを抽出した。この構築されたDNAフラグメントをpVA838プラスミドに挿入し最終構築プラスミドを作製し、培養したS.gordoniiのコンピテントセルに、構築プラスミドをエレクトロポレーション法により導入し、形質転換したS.gordonii菌株を作製した。形質転換株を液体培地にて培養し、培養液中へのPRP1フラグメントの分泌を抗PRP1フラグメントに対する抗体を作成し確認した。
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Research Products
(1 results)