1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌によって誘導されるマクロファージのアポトーシスに関する研究
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09771834
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福永 真佐美 広島大学, 歯学部, 助手 (00284208)
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Keywords | Actinobacillus actinomycetemcomitans / U937 / マクロファージ / アポトーシス / ネクローシス / 細胞障害性 |
Research Abstract |
歯周病原性細菌の一つであるActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)は宿主の免疫防御システムを破壊することが知られているが、そのメカニズムについては依然不明な点が多い。従って、本研究では免疫担当細胞の一つであるマクロファージ(U937細胞)に対するA.a.の病原性をU937細胞に対するA.a.の細胞障害性とA.a.によるU937細胞の致死様式から検討した。なおU937細胞に対するA.a.の細胞障害性はトリパンブルー染色法によって、致死様式はアガロースゲル電気泳動によるDNAの断片化の検出により検索した。 A.a.(Y4株)はB.H.I.培地を用い嫌気下で増殖させた後、1,000×gの遠心によって培養上清と菌体と分離した。歯体と培養上清はそれぞれPMAを培地に添加し72h培養後、接着能を誘導したU937細胞(PMA-U937細胞)とPMA無添加で培養したU937細胞(N-U937細胞)に作用させた。 A.a.菌体とU937細胞を100:1の割合で37℃で30分間インキュベートすると、PMA-U937細胞は約50%にトリパンブルーの取り込みを認め、PMA-U937細胞の細胞障害性はN-U937細胞の約5倍であった。対数増殖期で採取したA.a.培養上清中にU937細胞を37℃で30分間インキュベートすると、PMA-U937細胞は約90%の細胞にトリパンブルーの取り込みを認めた。一方N-U937細胞には、30分間インキュベートた直後においてトリパンブルーの取り込みは認めなかったが、3時間後にアガロースゲル電気泳動によってDNAの断片化を検出した。 以上のことよりA.a.の細胞障害性は、U937細胞の分化に影響されること、致死様式は、U937細胞が分化するとアポトーシスからネクローシスに変化することが示された。
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