1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771840
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
冨田 耕治 徳島大学, 歯学部, 助手 (10263849)
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Keywords | 歯肉縁下歯石 / ポルフィロモナスジンジバリス |
Research Abstract |
本研究の遂行において先ず歯肉縁下歯石を本学付属病院予防歯科診療室にて中等度から重度の成人性歯周炎患者から採取した。 この標本を洗浄後に粉砕し、凍結乾燥を行ったものを用いて歯肉縁下歯石の脱灰条件の検討を遊離する燐酸イオンを指標にしてフィスケーサバロウ法により行った。またこのときの有機物の遊離を抗ポルフィロモナスジンジバリス抗体によるイムノブロッティングによって検索したところEDTAでは溶出しない画分にも抗原性物質が存在することが示唆された。 次いで歯肉縁下歯石のSDS描出物を用いて抗歯肉縁下歯石血清の作成に着手した。しかしながら特異的抗体価が上昇せず、また抗原として多量の歯石を使用することから以降の実験に支障を来すことが考えられるために抗体作成を断念した。それと並行してポルフィロモナスジンジバリスのカルシウム沈殿物質を抗原としだ抗血清作成に取りかかったが同様に抗体価の上昇を認めなかった。 このために歯肉縁下歯石の成分を免疫学的方法に検索することは一時中断し、歯周病原性細菌の歯石形成能を評価するようなモデルの確立に努めることとした。 ポルフィロモナスジンジバリスのSDS抽出物を、電気泳動し、ブロッティングしたのちアイソトープを用いてカルシウムとの結合実験を行ったところブロードなバンドが認められた。今後は歯周病原性細菌の歯石形成モデルの確立に努めると共に、歯石中のカルシウム結合能を有する成分の免疫学的検索を行う予定である。
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