1997 Fiscal Year Annual Research Report
ブレオマイシンの唾液中への移行とS.mutansの口腔内定着に及ぼす影響
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09771841
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲井 裕子 九州大学, 歯学部, 助手 (00193540)
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Keywords | Bleomycin / 齲蝕活動性 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
口腔領域の悪性腫瘍に対する抗癌剤として広く使用されているBleomycinについて,唾液中に移行しているかどうか、さらにBleomycinの投与がoral microfloraにどのような影響を与えるかについて調べることを目的として、被験者より唾液採取、および齲蝕活動性試験を行った。被験者は口腔内悪性腫瘍のため入院中の患者であり、唾液採取及び齲蝕活動性試験に先だち、被験者からは充分な同意を得た。 唾液採取、及び齲蝕活動性試験はBleomycin投与前、投与中及び投与後に行った。Bleomycinが唾液中に流出しているかどうかの確認は採取された唾液は、Bacillus subtilisの芽胞液を用いた薄層カップ法により行った。この方法は、Bacillus subtilisの芽胞液を含んだ寒天平板上で、採取された唾液の周囲に生じた阻止円よりBleomycinの有無を確認するものである。この結果、Bleomycin投与中は微量のBleomycinが唾液中に流出している可能性が示唆された。 齲蝕活動性試験は、DentocultSM,及びDentocultLBを用い、Bleomycinの投与により齲蝕病原菌であるs.mutans、Lactobacillusがどのように変化するかについて調べた。この結果、口腔内のs.mutansおよびLactobacillusは、投与前に比べて減少する傾向がみられた。
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