1997 Fiscal Year Annual Research Report
実験的な歯の移動とその後に起こるリラプスに関する組織学的解析
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09771860
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小澤 浩之 昭和大学, 歯学部, 助手 (00224220)
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Keywords | 歯の移動 / bisphosphonate / Waldo法 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
矯正学的な歯の移動後の後戻り現象を光顕的・電顕的に観察し、従来のtransseptal fiber system theoryの再検証を試みた。また骨吸収抑制剤としてのBisphosphonateの投与が、歯の後戻りに及ぼす効果を検討した。 材料には生後7週齢のウイスター系ラットを用い、上顎の第1・第2臼歯間に1/4medium size矯正用顎間ゴムを挿入した(Waldo法)。挿入後7日あるいは21日目にゴムを除去し、第1・第2臼歯間の閉鎖状況、すなわち後戻り過程を光顕、走査電顕および透過電顕で観察した。ゴム除去後のラットの固定は、7日間挿入例では1ないし4日目に、また21日間挿入例では5ないし10日目に行なった。またラットは生食投与のcontrol群とBisphosphonate投与群に分け、ゴム除去前日とゴム除去7日目にそれぞれ0.5ml/1.5mg/kgを尾静脈より投与した。 7日間ゴム挿入直後の第1・第2臼歯間距離は143μmであったが、1日目には44μmに急速に減少し、4日目には16μmとなった。ゴム挿入によって圧縮された歯根膜には、部分的に硝子変性あるいは石灰変性が生じた。また牽引側の歯根膜には、径約2.4μmのシャーピ-線維が不規則に分布していた。ゴム除去後1ないし4日後には歯根膜の幅は正常に戻り、変性組織周囲には破骨細胞やマクロファージが出現した。また径約3.8μmの太いシャーピ-線維が規則的に分布していた。21日間ゴム挿入直後の臼歯間距離は、432μmであったが、5日目には108μmに急速に減少し、10日目には71μmとなった。ゴム除去後5日目には、圧迫側の歯根膜に多くの破骨細胞が均一に出現し、牽引側には径約3.5μmのシャーピ-線維が規則的かつ緻密に配列した。
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