1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用Er:YAGレーザーを用いた歯の形成における歯髄反応の基礎的研究
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09771867
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高森 一乗 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (60256899)
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Keywords | Er:YAGレーザー / 歯髄反応 / ラット |
Research Abstract |
今回報告者らは、ラットを用いてEr:YAGレーザーと現在使用されているエア-・タービンによる窩洞形成後の歯髄反応について基礎的研究として、歯髄反応の病理組織学的検索を行った。 従来の報告は、実験動物としてイヌが多く用いられてきたが、報告者は、歯髄反応の免疫組織学的研究を申請目的としている。免疫組織染色を行うにあたり、ラットは多くのモノクローナル及びポリクローナル抗体が研究開発され、実験動物として適している。しかし、ラットを用いたEr:YAGレーザー窩洞形成時の歯髄反応の研究報告は少なく、実験の再現性、精度等で不明な点が多い。 そのため申請者は、ラットが実験に適した動物であるかどうかを判定するため、従来のイヌ病理組織学的検索の報告と比較して行った。 計60匹(120歯)のラットの上顎第一臼歯を麻酔下にて左側をEr:YAGレーザーにて右側をエア-・タービンにて窩洞形成をおこない、1,4,7,14,21,35日経過後にて、屠殺し、通法したがってパラフィン切片を作成した。 得られた切片をヘマトキシリン-エオジン重染色し、病理組織的検索を行った。 従来のイヌを用いた病理組織学的研究では、Er:YAGレーザー、エア-・タービンによる窩洞形成時の歯髄刺激は同程度であったと報告されている。 今回ラットを用いた実験を行ったところ、Er:YAGレーザーとエア-・タービン両窩洞形成時の歯髄反応に著明な差は認められなかった。 以上の結果より、ラットは、この研究を行うにあたり、精度、再現性の点より実験動物としての有用性が示された。現在、各種抗体を用いた免疫組織染色を行い、両者間の蛋白レベルでの歯髄での病理免疫組織学的な差異について検索中である。
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