1997 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液の審美的修復物色調に及ぼす影響
Project/Area Number |
09771870
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
梅津 糸由子 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30232903)
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Keywords | APF / グラスアイオノマーセメント / 色調 |
Research Abstract |
光硬化型グラスアイオノマーおよび各種コンポジットレジンに対するリン酸酸性フッ化ナトリウム溶液(APF)の審美的影響を知るため、溶液浸漬前後の修復材料の性状の変化を調べることを目的とした。 まず光硬化型グラスアイオノマーのAPFの影響を調べたところ以下の知見を得た。 1.浸漬時間と硬化後経過時間による変色の程度 光照射終了後1分、5分、10分、20分、30分、1時間、24時間、7日間後にAPFに浸漬し試料はすべての経過時間において精製水に比べて表面に白濁が観察られた。 2.浸漬時間と硬化後経過時間による変化(SEM観察) 精製水浸漬群では光照射1分後に浸漬した場合小さなコアの脱落が認められた。また大きなコアの輪郭が確認できるようになり、マトリックスには多数の小窩が観察された。 5分以降の浸漬においてもマトリックスの小窩が多数見られ、7日間後浸漬では、わずかに小窩が観察された。APF浸漬試料は1分後・5分後の試料の表面の平滑性が失われ、大きなコアの外形にあわせた隆起が観察された。小さなコアの残存は、わずかでマトリックスには多数の小窩が認められた。10分以降24時間後の浸漬試料においても同様に大きなコアの輪郭が明確に認められ、小さなコアの脱落、小窩が観察された。7日間後浸漬試料ではわずかなマトリックスの小窩が認められた。 3.塗布回数による審美的障害は硬化直後の4分間一回の浸漬においてでも認められた。 リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液の局所的応用時間である4分間の塗布においても、光硬化型グラスアイオノマーセメントの表面性状に変化をもたらすことがわかった。またその際硬化後の経過時間も大きく影響することがわかった。これからさらにそれぞれの条件の浸漬前後の色調の変化を測定し変色の程度を比較する。また経時的変化を観察する。
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