1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移動時の歯根膜細胞のmigrationと増齢的変化
Project/Area Number |
09771877
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
島田 達雄 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90257345)
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Keywords | 歯の移動 / 歯根膜 / オートラジオグラフィー / 新生細胞 / 老齢 / マウス |
Research Abstract |
1、 持続的機械刺激を加えた歯根膜における新生細胞の分布について 10週齢マウスの下顎左右第一臼歯にワイヤースプリングを装着して頬側方向に圧力を加え、8時間(3回/日)おきに^1Hthymidineを腹腔内に投与した。投与期間は、装着後から5日目まで、6日目から10日目まで、装着後から10日目までの3通りとした。同様の投与方法で10日間投与したマウスをコントロールとした。装置の装着後1日目から5日目には、新生細胞は主に歯頚部と根尖部の牽引部に現れ、最高標識指数は93%であった。6日目から10日目には、新生細胞は圧迫されていた領域に主に現れた。10日間連続投与した試料では各領域の標識指数は65〜96%%で、コントロール試料では4〜8%であった。これらの結果から、歯根膜に持続的機械刺激が加えられた場合、新生細胞の出現時期は歯根膜の部位により異なるが、最終的には歯根膜の全ての部位において細胞の大部分が新生細胞に置き換わることにより新しい環境に適応していくことが示唆された.本研究結果は、鶴見歯学25巻2号に発表予定である。 2、 若いマウス(10週齢)と老齢マウス(1年齢)での歯の移動刺激に対する歯根膜細胞の応答について マウスの下顎左右第一臼歯をワイヤースプリングで移動し、移動開始(1)8時間(2)16時間(3)24時間(4)32時間(5)40時間(6)48時間後に^1H-thymidineを腹腔内に投与した。その結果、若いマウスでは移動後16時間目の牽引側に初めてラベルされた細胞が観察され、標識指数は24時間目に最高値を示した。一方、老齢マウスでは、24時間目の牽引側に初めてラベルされた細胞が観察され、標識指数は実験期間中の48時間以内では明瞭なピークを示さなかった。このことから、老齢に伴うGO期の延長と細胞増殖活性の低下の可能性が示唆された。 本研究は第76回IADR(Nice,France)において発表した。
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[Publications] 島田達雄: "歯の移動に伴う歯根膜細胞の応答性" 鶴見歯学. 17. 169-185 (1991)
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[Publications] M.J.Mura-Galelli,H.Narusawa, T.Shimada,M.Iijima and T.Aoba: "Effect of Fluoride on Precipitation and Hydrolysis of Octacalcium Phosphate in An Experimental Model Simulating Enamel Mineralization During Amelogenesis" Cells and Materials. 2. 221-230 (1992)
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[Publications] 島田達雄,川本忠文,桑原洋助: "持続的機械刺激を加えた歯根膜における新生細胞の分布" 鶴見歯学. 25(2). 13-20 (1999)