Er:YAGレーザーによるレーザーエッチング効果とシ-ラントの接着性

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09771886
• Research Institution: Aichi Gakuin University
• Principal Investigator: 磯貝 美佳 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20291776)
• Keywords: Er : YAGレーザー / レーザーエッチング / シ-ラント

Research Abstract

実験1.低出力レーザー照射エナメル質の観察
被験歯は新鮮抜去ヒト上顎第三大臼歯を用いて,頬舌側面を研削し,露出したエナメル質面に先端出力15mJ,25mJで,注水下接触照射を行った。その後,各試料をSEMにて観察を行った。なお,コントロールには40%正リン酸ゲルで40秒間処理したものを用いた。
実験2.レーザー照射面に対するシ-ラント接着試験
実験1と同条件でレーザー照射を行い,シ-ラントを填塞したものを用いて, crosshead speed 0.5mm/min の条件下で剪断接着試験を行った。なお,リン酸処理したものをコントロールとした。
結果および考察
1.SEM観察より,レーザー照射後のエナメル質表面は15mJ,25mJともに表層エナメル質の蒸散消失が認められ,照射面には蒸散粉はほとんど存在していなかった。照射面の形態変化は,15mJでは,エナメル質表層が一層消失し,比較的平坦な像を呈しており,結晶構造に基づく微細な凹凸が認められた。25mJでは,小柱単位の小塊からなる層板状の表面形態を呈しており,15mJに比べ蒸散量も多くなっていた。以上より,15mJのレーザーエッチングでは,25mJに比べ,比較的リン酸エッチングに近い表面形態が得られており,シ-ラントの前処理としては有効であると考えられる。
2.剪断試験の結果,シ-ラントの接着力は,15mJでは8.5MPa,25mJでは6.6MPaであり,コントロールのリン酸処理の16.3MPaに比べ,低い値を示した。