1997 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性化合物の合成を指向した光学活性アミン類の不斉合成法の開発と応用
Project/Area Number |
09771894
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
川手 智彦 千葉大学, 薬学部, 助手 (50195111)
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Keywords | 不斉Pictet-Spengler反応 / 光学活性アミン / β-カルボリン / ニトロン / キラルルイス酸 / 不斉補助基 / α-ナフチルエチルアミン |
Research Abstract |
1.不斉Pictet-Spengler反応の開発と天然物合成への応用 ヒドロキシトリプタミンとベンツアルデヒドの縮合により安定に得られるニトロンに対し、種々のキラルルイス酸を用いて、不斉Pictet-Spengler反応を検討した。その結果、キラルルイス酸として、光学活性なバイナフトールとトリメチルボレートより調製したキラルルイス酸補助型ブレンステッド酸を用い、塩化メチレン中室温で攪拌することにより、不斉Pictet-Spengler反応が進行し、光学活性な2-ヒドロキシ-1-置換-テトラヒドロ-β-カルボリンが得られることを見いだした。さらに、種々のアルデヒドよりニトロンを合成し、置換基効果を検討したところ、最高91%eeの不斉を得ることができた。生成物の構造は、X線結晶解析を含めて確認した。 2.分子間不斉アルキル化反応 不斉補助基としてα-ナフチルエチルアミンを用い、アルデヒドとの縮合によりイミンを合成し、アルキルリチウムによるジアステレオ選択的不斉アルキル化反応を検討した。その結果、ルイス酸(三フッ化化ホウ素)を炭素-窒素二重結合の活性化剤として加えることによりアルキル化が、容易に進行し、対応する光学活性アミンが収率よく得られ、最高99:1以上のジアステレオ選択性が得られることがわかった。また、ルイス塩基(テトラメチレンジアミン)も反応の活性化剤として有効であることを見いだした。更に、1部のイミンの反応では、ルイス塩基添加の反応とルイス酸添加の反応に於いてジアステレオ選択性が逆転するという興味ある現象が認められた。
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