1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗癌活性抗生剤の合成とその生理活性に関する研究
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09771903
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
吉松 三博 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80240349)
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Keywords | エンインアレン / 抗癌活性抗生剤 / アレインシクロプロパン / 芳香環化 |
Research Abstract |
1. 昨年の報告書においてエンジインスルホンを活性化するためにエンインアレンの同族体であるアレンインシクロプロパンに硫黄官能基を導入することに成功し、その熱的環化反応を検討し、6-endo型ではなく5-exo型で環化反応が進行することを報告した。しかし、含硫黄エンインアレンの本来の反応性を調べるためにはやはり、シクロプロパンではなく、二重結合のものを合成する必要があった。そこで、今まで共役エンインスルホンからの合成が困難であったエンインアレンスルホンを合成することにした。合成を困難にしていた理由であるアリールスルホン部分のオルトリチオ化を抑えるためアリール基を2,4,6-トリメチルフェニル基に代えたエンインスルホンを合成した。次に私たちの開発したα-リチオビニルスルホンの発生法を適用すると、オルトリチオ化などの副反応を抑えてα-リチオエンインスルホンを発生でき、プロピナールと反応させることで、エンインアレンの前駆体が高収率で得られた。次にこの化合物をアレンインシクロプロパンの場合と同様Ph_2PCl/Et_3Nでアレンに異性化させ、目的のエンインアレンを合成できた。そこでベンゼン中加熱すると、シクロプロパンの場合と同様に5-exo型で環化した生成物が得られるのみで、6-endo型の芳香化生成物は得られなかった。 2. この閉環反応の選択性にはアセチレン末端の置換基が大きく影響していることが報告されているので、次に私はエンインアレンのアセチレン末端が水素の基質の合成を計画した。そこでアセチレン末端にトリメチルシリル基を導入したエンインアレンを合成した後、脱シリル化することを検討したが、非常にトリメチルシリル基が外れやすく、TMS-置換エンインスルホンを合成した段階で既に脱シリルが徐々に進行することが分かった。そこで完全に脱シリル化を行ない無置換の1-スルホニル-1-ブテン-3-インへ導いた後、エンインアレンへ導くことを考え、現在その合成を検討しているところである。今後、アセチレン末端に置換基を持たないエンインアレンスルホンを合成し、選択的に6-endo型の芳香化が進行する基質を合成していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Yoshimatsu, K.Konishi: "A New Fluoride-mediated 1,2-Shift of the Sulfonyl Group on the Cyclopropane" Tetrahedron Lett.39. 1781-1782 (1998)
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[Publications] M.Yoshimatsu, K.Oguri: "The First Example of The α-Chalcogenoformylolefinations of The Ketones and Aldehydes Using 1-Lithio 2-Ethoxyvinyl Chalcogenides" J.Org.Chem.63. 4475-4480 (1998)
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[Publications] M.Yoshimatsu, Satoshi Gotoh: "A New Alkoxy-2-chalcogenoally1 Cation : Highly-regioselective Allylating Electrophile" J.Org.Chem.63. 6619-6624 (1998)
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[Publications] T.Kataoka, M.Yoshimatsu: "Reactions of Diphenyl (phenylethnyl) selenonium Salts with Active Methylene Compounds and Amides : First Isolation of Oxyselenuranes 〔10-Se-4 (C3O)〕 as a Reaction Intermediate" J.Org.Chem.63. 6382-6386 (1998)