1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規なキラルジアミンを活用する触媒的不斉合成反応の開発研究
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09771909
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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Keywords | キラルジアミン / 不斉合成 / ジケトピペラジン / ピペラジン / ビスラクチムエーテル / スパルテイン / アルドール反応 / ウイッテッヒ反応 |
Research Abstract |
同種の光学活性アミノ酸からなるジペプチド体、すなわちS-フェニルグリシンあるいはS-プロリンの2分子縮合体の分子内環化反応によってジケトピペラジンへと誘導し、ペプチド結合を還元することにより光学活性な2,5-ジアルキルピペラジンを合成した。2,5-ジフェニルピペラジンのアミノ基はホルムアルデヒド-ギ酸を用いて還元的にメチル化し3級ジアミンヘと変換した。得られた各種ピペラジンのキラル補助剤としての有用性を検討するため、アキラルなビスラクチムエーテルとアルデヒドとのアルドール反応、反応性の高いメチルビストリフルオロエチルホスホノアセテートと各種4-置換シクロヘキサノンとのHorner-Wadsworth-Emmons反応、ジチオエステルを原料とするDieckmann型分子内環化反応を行なったところいずれの場合も立体選択性はほとんど認められなかった。 そこで、(-)-スパルテインを不斉補助剤として用いた場合に最高98%eeのエナンチオ選択性で反応が進行することをすでに見出していたアキラルなビスラクチムエーテルとアルデヒドとのアルドール反応に着目し、さらに詳細な検討を加えた。その結果、アキラルなビスラクチムエーテルに対して1.5当量のスズ(II)トリフレートと8当量のアミンを用いた場合、イソブチルアルデヒドとの反応は0.3当量の(-)-スパルテインを用いた場合にも最高98%eeのエナンチオ選択性で進行することが明らかとなった。 本年度に合成したピペラジン誘導体が有効に機能しなかったことから、次年度は新規な不斉補助剤としてイソマンナイド誘導体の合成開発を計画している。
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