1997 Fiscal Year Annual Research Report
中枢作働成分、crocinに対するモノクローナル抗体の作製とその応用
Project/Area Number |
09771911
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 宏幸 九州大学, 薬学部, 助手 (30253470)
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Keywords | crocin / モノクローナル抗体 / ELISA |
Research Abstract |
サフランの主要成分はジテルペノイドであるcrocetin配糖体類であるが、当研究室及び東京大学薬学部斎藤洋教授との共同研究で、crocinが、ラットにおいてエタノールによって引き起こされる海馬の長期増強(LTP)抑制作用を改善することが発見され、現在中枢作働リ-ド化合物として注目されている。しかし、そのメカニズムは、解明されておらず、その作用にはレセプターの関与も考えられる。このため、crocinの作用メカニズムを解明する研究の一環として、crocinに対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いて脳内や各種組織での分布等の動態を明らかとすることが本研究の主目的である。 平成9年度実施計画に従い、crocinに対するモノクローナル抗体の作製を行った。Crocinのような低分子化合物は、免疫原性を有しないので、免疫原性を有するBSA,HSAのような高分子化合物と結合させ、これをマウスに感作する。マウス血中抗体価をELISAのより測定し、十分な抗体価が得られた段階で脾臓細胞を摘出し、ミエローマ細胞とPEGによる細胞融合を行った。得られるハイブリドーマを、HAT培地によりセレクションし、ELISAによるスクリーニングにより、陽性を示したwell中の抗crocin抗体産生ハイブリドーマを限界希釈法によりクローニングし、数種の抗crocinモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作製した。また、得たハイブリドーマの産生する抗体を用いた競合法によるELISAを確立した。これらの成果は、日本薬学会第117年会(講演要旨2.p.112)で発表した。
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