1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンフォメーションの制限された人工ペプチドの分子設計
Project/Area Number |
09771912
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 正一 九州大学, 薬学部, 助教授 (00227175)
|
Keywords | ジ置換アミノ酸 / ホモペプチド / コンフォメーション / ヘリックス / ストレッカー法 / エステラーゼ |
Research Abstract |
ストレッカー法を利用したジ置換アミノ酸であるジエチルグリシンとエチルブチルグリシンの合成に成功した。合成したラセミのエチルブチルグリシンの酵素を用いた効率的光学分割法に成功し、光学活性エチルブチルグリシンよりホモペプチドとしてトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサペプチドの合成を行った。また、ジエチルグリシンよりトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサペプチドの合成を行った。ペプチドの保護基は、C末をエチルエステル、N末をトリフルオロアセチル保護とした。 合成したホモペプチドより、X線結晶解析に必要な単結晶の作成を各種検討した。 結果、ジエチルグリシンより合成したペプチドでは、トリ、ペンタ、ヘキサペプチドについて単結晶を作成し、結晶中のコンフォメーションをX線結晶解析により調べる事が出来た。過去の報告に反して今回合成したペプチドは、ヘリカルなコンフォメーションを結晶中でとることが判明した。ヘリックスは、αではなく、短いペプチドに見られる310-ヘリックスであった。エチルブチルグリシンから合成したホモペプチドの結晶中でのコンフォメーション並びに溶液中でのコンフォメーションはこれから調べる予定である。 オルニチンより側鎖のアミノ基を連結してペプチドを合成し、水素結合によりコンフォメーションを固定化し、α-位のアミノ基に導入したナフチル基の相互作用を調べる研究に関しては、ジペプチドの合成まで行ったが、ペプチドの溶解性に問題があり研究を中断した。
|