1997 Fiscal Year Annual Research Report
4-ビニル-及び4-メチレン-β-スルタムを用いた新規π-アリル錯体発生法の開発
Project/Area Number |
09771915
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岩間 哲男 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (10254252)
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Keywords | 4-メチレン-β-スルタム / パラジウム触媒 / π-アリル錯体 |
Research Abstract |
1.ビニルスルホニルクロリドとイミンとの反応により発生させたビニリデンスルフェンとイミンとの[2+2]環化付加反応によって4-メチレン-β-スルタム環を1工程で構築しようと試みたが、複雑な混合物を与えるのみで目的物を単離するには至らなかった。 2.4位無置換-β-スルタムとt-ブチルジメチルシリルクロリドとの反応により4-モノシリル-β-スルタムを合成した。4-シリル-β-スルタムとアルデヒドやケトンとのPeterson型オレフィン化反応を種々の条件で行ったが、低収率でしか4-メチレン-β-スルタムを得ることができなかった。 3.4位無置換-β-スルタムとトリメチルシリルクロリドとの反応により合成した4,4-ジシリル-β-スルタムとベンズアルデヒドとの反応をテトラブチルアンモニウムフルオリドやフッ化セシウム触媒存在下、様々な条件下で検討したが、主生成物は脱ジシリル体であり、4-メチレン-β-スルタムは低収率で生成するのみであった。 4.4位無置換-β-スルタムを塩基で処理したのち、芳香族アルデヒドと反応させ4-ヒドロキシメチル-β-スルタムを2種類のジアステレオマ-として収率よく得た。得られたアルコール体をメシル化後、塩基で処理し、4-ベンジリデン-β-スルタムへと収率よく変換できた。4-ベンジリデン-β-スルタムはアルコール体の2種類のジアステレオマ-よりそれぞれE-体、Z-体として得られた。 5.4-メチレン-β-スルタムとパラジウム触媒との反応による2-スルファモイル-π-アリル錯体の発生条件は現在検討中である。
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