1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV作用を有するクロロペプチンの生合成機構の解明と抗HIV薬創製への応用
Project/Area Number |
09771919
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松崎 桂一 日本大学, 薬学部, 助手 (20229454)
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Keywords | chloropeptin / クロロペプチン / 抗HIV / 生合成 |
Research Abstract |
クロロペプチンは抗HIV剤のリード化合物として期待される塩素原子を6個を有するペプチド系抗生物質である。発酵法を利用して優れた抗HIV活性物質の創製を目指し、以下の実験を行った。 (1) クロロペプチンの各アミノ酸の起源の解明 クロロペプチン生産菌培養液中に、L-[2^<-13>C]-チロシンとDL-[1^<-13>C]-4-ヒドロキシフェニルグリシン(DL-HPG)を培養開始後24および48時間後に添加した。その結果、L-[2^<-13>C]-チロシン添加時ではN-メチルチロシンに直接取り込まれ、4つのHPGおよび3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニルオキザロ酢酸(CHPA)のカルボニル炭素に^<13>Cが取り込まれたことから、トリプトファンを除くすべての残基はL-チロシンより生合成されることが明らかとなった。また、4つのHPGにはDL-HPGが取り込まれたものの、CHPAには取り込まれなかった。 ついで、L-またはDL-[1-^<13>C]-HPGを培養開始後30時間目に添加し、その生合成経路の立体選択性について検討した。その結果、4つのHPGとCHPA全てに取り込まれたものの、L-HPGを添加した場合が取り込み率が高かった。 (2) グリコペプチド抗生物質生産菌による微生物変換 これまで、8種のグリコペプチド抗生物質生産菌培養液にクロロペプチンを添加したところ、新たに生産される物質を数種確認した。生産物をLC-UV-MSで検討したところ、m/z1503(ESI^-)とクロロペプチンより179質量数多い物質を見い出した。^1H-および^<13>C-NMRの結果から、6炭糖1分子の存在が明らかとなった。現在、糖の種類と結合位置について検討中である。
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