1997 Fiscal Year Annual Research Report
アリル基を含むリンカーを用いた固相糖鎖合成法の開発
Project/Area Number |
09771924
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
東屋 功 帝京大学, 薬学部, 助手 (50276755)
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Keywords | 固相法 / グリコシド / グリコシル化 / リンカー / 二重結合の異性化 / コンビナトリアル / 糖鎖 / ライブラリー |
Research Abstract |
固相合成用の樹脂上にアリル基を含むリンカーを介して糖の一位を結合させるモデル化合物として、種々の炭素鎖を持つジオール(一方はアリルアルコール)の合成法の条件検討を行った。 末端二重結合を持つ直鎖一級アルコールの水酸基をベンジル保護した後、二重結合をエポキシ化し、ジメチルスルフォニウムメチリドを作用させることにより効率良くアリルアルコール誘導体へと導くことができた。モデル化合物としてベンジル保護グルコースを用い、その一位に先の保護ジオールを結合させる反応では、種々条件を検討した結果、ジフェニルフォスファートを脱離基とし低温下TMSOTfを作用させる方法が、副生成物が少なく収率が最も良いものであった。この際、グリコシル化反応として非常に良く用いられるトリクロロアセトイミデ-トを脱離基とした反応では、目的物と副生成物との分離精製が困難であった。このようにして得られたグリコシドのアリル部分の異性化はWilkinson錯体により効率良く進行し、得られたビニル体をアセトニトリル中cyclohexanol存在下TMSOTfを作用させることにより76%の収率でグリコシドを得ることができた。 以上のように目的とする樹脂上での反応のモデルとなる液相反応の反応条件を確立した。しかしながら、Wilkinson錯体などの遷移金属触媒が樹脂上で使用可能かなど、場合によっては更なる条件検討が必要である。本年度に計画していたリンカーの樹脂との結合の条件検討および樹脂からの切り出しの条件検討は次年度に行う予定である。
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