1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規化学及び立体選択的ロジウム触媒反応の開発と生物活性天然物合成への応用研究
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09771931
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
矢倉 隆之 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (70220126)
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Keywords | ロジウム(II)触媒 / 酢酸ロジウム(II) / C-H挿入反応 / ジアゾケトン / シクロペンタンメタノール / 化学選択性 / 立体選択性 |
Research Abstract |
光学活性(S)-2-ジアゾ-5,6-ジヒドロキシ-3-オキソヘキサン酸メチル誘導体の2価のロジウム[Rh(II)]触媒反応を検討し、ヒドロキシ基の保護基の違いにより化学選択性に顕著な差が見られることを見出した。即ちジオール部をアセトニドにて保護した(S)-α-ジアゾ-2,2-ジメチル-β-オキソ-1,3-ジオキソラン-2-ブタン酸メチルを触媒量の酢酸ロジウム(II)[Rh_2(OAc)_4]と塩化メチレン中還流するとロジウムカルベノイドが3-位の酸素原子と反応してオキソニウムイリド中間体を形成し続く1,2-shiftにより2,2-ジメチル-7-オキソ-3,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]-オクタン-1-カルボン酸メチルが54%の収率で得られた。一方ジオール部を共にtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基で保護した(S)-5,6-ビス(TBDMSシリルオキシ)-2-ジアゾ-3-オキソ-ヘキサン酸メチル(1)を同様に処理すると化学(官能基)選択的にC-H挿入反応が進行し、1,2-cis-2,3-cis-2,3-ビス(TBDMSシリルオキシ)-5-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル(2)が立体選択的に生成した。このものは不安定でシリカゲルカラムで精製するとシラノールが脱離して3-TBDMSオキシ-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボン酸メチルが68-83%で得られた。2を精製することなく水素化リチウムアルミニウムで還元すると(1R,2R,3S,5R)-2,3-ビス(TBDMSシリルオキシ)-5-ヒドロキシシクロペンタンメタノール(3)が単一の立体異性体として1から52%の収率で得られた。このことは唯一つの不斉中心を持つ化合物からone pot反応で4つの連続する不斉中心を選択的に構築できたことを示す。C-H挿入反応での立体選択性は遷移状態においてTBDMSO基がアキシアル位を占めることにより発現し、さらにつづく還元反応では立体障害の少ない側からヒドリドイオンが攻撃したと考えられる。現在3を用いる天然物の合成を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takayuki Yakura et al.: "A Short Synthesis of Optically Active Corey Lactone by Means of Dirhodium (II) -catalyzed Intramokecular C-H Insertion Reaction of α-diazoketone" Synthesis. -・7. 973-974 (1998)
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[Publications] Takayuki Yakura et al.: "Control of Chemoselectivity in Dirhodium (II) -catalyzed Reaction of 5,6-Dioxygenated 2-Diazo-3-oxo-hexanoates : C-H Insertion Reaction versus Oxonium Ylide Formation." Chem.Pharm.Bull.46・7. 1182-1183 (1998)