1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己スプライシングにより生成する酵母VMA1エンドヌクレアーゼの結晶解析
Project/Area Number |
09771942
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 隆太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70272482)
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Keywords | プロトザイム / プロテインスプライシング / エンドヌクレアーゼ / インテイン / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
酵母VMA1遺伝子産物(VMA1プロトザイム)のプロテインスプライシング反応は、介在配列であるエンドヌクレアーゼ部分(VMA1 derived endonuclease ; VDE)と、その外側の数アミノ酸残基があれば、自己触媒的に進行する。このスプライシング反応の機構を、三次元構造に基づいて明らかにするため、VDEの結晶学的研究を行った。 結晶化にはポリペプチド鎖の両端を伸長した長鎖化体VDE(XA-VDE)を用いた。これを大腸菌内で発現させ、溶菌、硫安沈殿の後、陽イオン交換および陰イオン交換のカラムクロマトグラフィにより、VDE画分を調製した。さらに、クロマトフォーカシングにより、等電点の異なる複数の画分を得た。このうち、N末端配列の均一な画分を、さらにゲルろ過クロマトグラフィにより精製した。結晶化は、ポリエチレングリコールを用いて、Cd^<2+>共存下で行った。 得られた結晶の空間群はP2_1であり、格子定数はa=59.1Å、b=102.5Å、c=87.0Å、β=93.9°で、2Å分解能までの回折斑点を与えた。非対称単位にVDE2分子が存在すると、V_Mは2.58Å^3/Da、溶媒占有率は52%である。この結晶を、25%グリセロールを含む母液に浸漬した後、100Kに冷却し、CuKα線を用いて回折強度データを収集した。2.15Åまでの総反射数120,673個、独立な反射51,196個(コンプリ-トネス90%)を測定できた。水銀および白金化合物溶液に浸漬した結晶についても回折強度データを収集し、現在その解析を進めている。
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