1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリパーゼA_2の構造化学的研究と特異的阻害剤の開発
Project/Area Number |
09771954
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (70257898)
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Keywords | ホスホリパーゼA_2 / 蛋白質複合体 / 結晶構造 |
Research Abstract |
本年度は,外分泌型ホスホリパーゼA2,(PLA2)の中でも,牛膵臓より得られるPLA_2に着目した.本酵素は,N-末端が7残基長い前駆体酵素(pro-PLA2)として膵臓より発現され,トリプシンによってその7残基が限定分解を受け活性型酵素となる.前駆体酵素と活性型酵素では,ミセル状の基質に対して全く異なった活性力を示す.そこでこの機能発現機構を分子レベルで解明するため、牛膵臓由来pro-PLA2とtrypsinとの複合体のX線結晶構造解析を目的とし、複合体結晶の作成を試みた。まず複合体の調製は、pro-PLA2がtrypsinにより分解されずに両蛋白質が結合出来ることを考慮し、反応溶液のpHを中性から酸性側に選択し、更にPLA2の活性発現に必須であるCa^<2+>を添加した。複合体の形成は、Sephadex G-50カラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィーにより確認した。 複合体の結晶化条件の検討は,室温において蒸気拡散平衡法により行った。沈殿剤としては作用の異なる代表的な3種である、硫酸アンモニウム、ポリエチレングリコール4000、2-メチル2-4-ペンタンジオールを用い、これらの濃度および溶液のpHを7.0から4.0まで変化させた。様々な条件検討の結果、10〜15%濃度のポリエチレングリコールを用い、pH6.5の条件において板状の結晶を得ることが出来た。しかし、この結晶では充分なX線回折データを得ることが出来なかったため、現在、構造解析に使用可能な良質の結晶を得るべく結晶化条件の精密化を行っている。
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