1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771963
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 真也 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (40196829)
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Keywords | P450 / P450還元酵素 / リポソーム / 再構成膜 / 薬物代謝 |
Research Abstract |
ヒトCYP2C9、CYP2C18及びCYP2C19発現酵母を培養し、それらの酵母ミクロソームより各P450タンパクを精製した。またラット肝臓ミクロソームよりP450還元酵素を精製した。次いで、先の中間報告の方法を一部改変し、リポソームを調製した。ジミリストイルホスファチジルコリン、コレステロール(モル比2:1)より小型1枚膜リポソームを作製し、これにデオキシコール酸で可溶化したP450及びP450還元酵素を分子数のモル比25:1:1で混合した。次いで混合液にデオキシコール酸を対脂質モル比0.5となるように添加し、さらにbiobeadsSM2を加えたリン酸緩衝液中で透析して乳白色の澄明なけん濁液を得た。上澄をSepharose CL6Bに処し、void fraction(リポソーム粒子の溶出分画に相当)を回収した。脂質の回収率は70%、CO差スペクトルから算定されるp450の回収率は添加した量の65%、P450還元酵素のそれは30%であった。得られたリポソームの薬物代謝活性を、オメプラゾール5位水産化活性を指標(CYP2C9、CYP2C18、2C19などによって代謝される)に検討した。CYP2C19-リポソームの場合最大活性は1.2nmol/nmol P450/minで再構成系の場合の10.2nmol/nmol P450/minの1/10ほどであった。また、他の分子種では活性は認められなかった。この際、代謝反応中に多量の沈殿が生じていたことから、活性の低さはリポソームの物理的安定性の寄与が大きいのかもしれない。今後、さらにリポソームの形態等検討が必要である。
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