1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラット好中球走化性因子(CINC)レセプターの炎症における役割
Project/Area Number |
09771971
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
柴田 太 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90231357)
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Keywords | ラット / 炎症 / 好中球 / 走化性因子 / CINC / MIP-2 / 7回膜貫通型レセプター / クローニング |
Research Abstract |
ラット好中球走化性因子であるCytokine-induced neutrophil chemoattractant(CINC)には、CINC-1、CINC-2α、CINC-2β、CINC-3/MIP-2の4種類が存在する。本研究では、昨年クローニングしたCINCレセプター遺伝子のノーザン、及びウエスタンブロット解析を行い、またこの遺伝子を培養細胞において発現させ、リガンド特異性について検討した。 1.CINCレセプター遺伝子をプローブとしてノーザンブロット解析を行ったところ、好中球では単一バンドが得られた。以前の研究結果からCINCレセプターは複数存在すると考えられることから、別のレセプター遺伝子も同じ長さのmRNAを発現するのか、あるいはこのプローブでは検出されない可能性が考えられる。 2.CINCレセプターのアミノ末端から46残基とProteinAとの融合タンパクを作製し、これでウサギを免疫して抗血清を得た。この抗血清を用いてウエスタンブロット解析を行ったところ、好中球では38kdと46kdの2本のバンドが検出された。この2つの別々の遺伝子産物であるのかどうか検討する必要がある。 3.CINCレセプター遺伝子をヒト胎児腎臓由来HEK293細胞に導入した。この形質転換細胞をCINC-1あるいはCINC-3で刺激すると細胞内カルシウム濃度の一過性の上昇が認められた。しかし、レセプターの発現レベルが低く反応が検出しにくいので、今後慎重に解析を続けていく予定である。
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