1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラット好中球走化性因子(CINC)レセプターの炎症における役割
Project/Area Number |
09771971
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
柴田 太 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90231357)
|
Keywords | ラット / 炎症 / 好中球 / 走化性因子 / CINC / MIP-2 / 7回膜貫通型レセプター / クローニング |
Research Abstract |
ラット好中球走化性因子であるCytokine-induced neutrophil chemoattractant(CINC)には、CINC-1、CINC-2α、CINC-2β、CINC-3/MIP-2の4種類が存在する。本研究では、一昨年クローニングしたCINCレセプター遺伝子のノーザン、及びウエスタンプロット解析を行い、またこの遺伝子を培養細胞において発現させ、リガンド特異性について検討した。 1. CINCレセプター遺伝子をプローブとしてノーザンプロット解析を行ったところ、好中球では単一バンドが得られた。 2. CINCレセプターのアミノ末端から46残基とProtein Aとの融合タンパクを作製し、これでウサギを免疫して抗血清を得た。この抗血清を用いてウエスタンプロット解析を行ったところ、好中球では38kdにメインバンドが46kdにマイナーバンドの2本のバンドが検出された。 3. CINCレセプター遺伝子をヒト胎児腎臓由来HEK 293細胞に導入した。この形質転換細胞をCINC-1、CINC-2、CINC-3でそれぞれ刺激すると、細胞内カルシウム濃度の一過性の上昇が認められた。また、CINC-3は1/10の濃度でCINC-1やCINC-2と同程度の細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こした。この結果はラット好中球を用いた時と同じであり、また、各CINCによる脱感作現象も好中球での結果と一致した。 以上の結果をまとめると、今回ク口ーニングしたCINCレセプターはすべてのCINCに対するレセプターであることが明らかとなった。
|