1997 Fiscal Year Annual Research Report
光感受性機能領域ペプチドを用いた興奮収縮連関におけるシグナル伝達領域の同定
Project/Area Number |
09771988
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 教務員 (90241348)
|
Keywords | 光アフィニティラベル / 筋収縮 / カルシウムチャンネル / ペプチド合成 |
Research Abstract |
本年度は骨格筋リアノジン受容体上のDHP受容体相互作用部位の同定を行うに必要な分子ルーツの作製を行った。骨格筋E-C coupling・機能共役領域である骨格筋DHP受容体II-IIIループの領域に光ラベル基を導入した光感受性機能領域ペプチドをアミノ酸自動合成機と有機合成によって作製した。ラベル可能なアミノ酸をペプチド内に導入する予定であったが、親和性のことを考慮して、N末端にCysを含むネイティブな配列を作製し、これに二価性架橋試薬を用いてラベル基の導入を行った。現在、精製を行っているが、副生成物が多く、反応効率も必ずしも良くない。したがって、当初の計画のように、合成の際にラベル可能なアミノ酸をペプチド内に導入する必要があると考えている。 一方、我々が見いだした骨格筋リアノジン受容体を特異的に活性化する新規サソリ毒についていくつかの検討を行った。この毒は骨格筋E-C couplingに作用すると考えられることから、毒の作用機序の解明を目的として、毒の活性成分同定と標的タンパク質の解析を行った。まず、HPLC分画した7kDaの活性ペプチドをプロティンシークエンサーによりアミノ酸配列分析を行い、N末端より約25残基を決定した。既に報告のある他のイオンチャネルの阻害するサソリ毒とホモロジーの比較を行った結果、興味深いことに電位依存性Naチャンネルを阻害するアフリカ産サソリの毒成分の一つと非常に高い相同性を示した。また、チャンネルの活性化機構について[^3H]リアノジン結合活性を指標に調べた結果、リアノジン受容体に直接、結合して作用するものではなく、モジュレーター分子を介して活性化することが明らかとなった。SDS-PAGEによる解析の結果、分子量100kDaの分子が有力な候補として、浮かび上がってきており、現在、その一次構造の解析を進めている。
|
-
[Publications] 國安明彦、中山仁: "Caチャンネルの分子構造と機能相関" 心臓. 30. 71-76 (1998)
-
[Publications] A.Kuniyasu, K.Itagaki, M.Iino, H.Nakayama. et al.: "Photochemical Identfication of transmembrane segment IVS6 as the binding region of semotiadil, a new modulator of the L-type voltage-dependent Ca^<2+> channel." Journal of Biological Chemistry. 273. 4635-4641 (1998)
-
[Publications] M.Akao, H.Otani, M.Horie, M.Takano, A.Kuniyasu. et al.: "Myocardial ischemia induced differential regulation of KATP channel gene expression in rat hearts." Journal of Clinical Investigation. 100. 3053-3059 (1997)