1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型人工抗体を用いた細胞特異的生体内遺伝子導入法の開発
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09771994
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)
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Keywords | 遺伝子導入 / 細胞特異的 / 抗体 / ヒト型化 / 人工抗体 / 一本鎖抗体 / イムノジーン / scFv |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞特異的遺伝子導入法である人工抗体型イムノジーン法の臨床での有効性・安全性を高め、早急な実現を目指すことである。本年度においてそのために必要な以下の3項目を達成した。(1)遺伝子導入効率を上げるための人工抗体型イムノジーンの改良、(2)大量産生・精製技術の確立、(3)免疫原性をなくすためにマウス型からヒト型への転換である。 (1)(2)昨年度の研究成果から、C末のDNA結合ドメインの8リジン残基では、酵母でも分泌効率が悪く、培養液中で不安定であり、またDNA結合能が不十分と考えられた。そのため、必要なアミノ酸の長さ・構成を検討し、8種類の一本鎖Fv抗体遺伝子を作製した。その中で、もっともDNAとの複合体形成に有利な構成であるアスパラギン酸20残基またはリジン20残基をC末に融合した一本鎖Fv抗体遺伝子の発現に成功した。それらは大腸菌発現系では発現不可能であったが、酵母発現系でしかも0.5M-1.0MのNaCl存在下でのみ安定に分泌可能であった。また、ファーメンテイションを導入し高密度培養後、一段階目のイオン交換クロマトグラフィによる精製は0.25M NaCl存在下で行えば効率的であることが判明した。(3)一本鎖Fv抗体の免疫原性をなくすためにフレームワーク領域のマウス型からヒト型への転換を行った。まず、データベース上でもっとも類似したヒトIgGのフレームワーク配列を検索し、抗原認識部位の高次構造の維持に重要だと考えられるアミノ酸は置換しないようにヒト型Fv抗体遺伝子を設計した。オリゴDNAを用いヒト型Fv抗体遺伝子を全合成し、大腸菌で発現させヒト型Fv抗体を精製した。ELISAによってEGFレセプターに対する結合力を測定すると、原型のマウス型抗体とほぼ同等であった。以上により、人工抗体型イムノジーン法の臨床応用に向けた基盤は完成したと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chen,J.: "Receptor-Mediated Gene Delivery Using the Fab Fragments of Anti-Epidermal Growth Factor receptor Antibodies:Improved immunogene Approach." Cancer Gene Therapy. 5・6. 357-364 (1998)
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[Publications] Chen,J.: "In Vivo Targeting Delivery of Therapeutic Gene into Experimental Squamous Cell Carcinomas Using Anti-EGF Receptor Antibody:lmmunogene Approach." Human Gene Therapy. 9・18. 2673-2681 (1998)
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[Publications] Ohtake,Y.: "Ex vivo Delivery of Suicide Genes into Melanoma Cells Using Epidermal Growth Factor Receptor-specific Fab Immunogene." Japanese Journal of Cancer Research. (印刷中). (1999)