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1997 Fiscal Year Annual Research Report

癌細胞の転移・組織浸潤に対するトロンボモジュリンの抑制作用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 09771997
Research InstitutionShowa Pharmaceutical University

Principal Investigator

樋口 敏幸  昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (50264289)

Keywords癌 / 浸潤 / 転移 / トロンボモジュリン / 組織線溶 / ウロキナーゼ
Research Abstract

癌細胞の浸潤・転移には、血液の凝固・線溶系の酵素および調節因子が深く関与していることが明らかに成りつつある。特に転移・浸潤能を有する癌細胞は組織線溶能が高く、このことが細胞外マトリックスの分解とそれに続く癌細胞の組織への移動に寄与するものと考えられている。トロンボモジュリン(TM)は血液凝固抑制因子として知られている糖蛋白質である。またTMは抗凝固作用以外に線溶阻害作用を有することも明らかにされている。最近、TMは癌細胞の浸潤・転移に対して抑制的に作用している可能性が指摘されているが、その詳細については不明である。本研究は、TMが癌細胞の浸潤能に対して抑制作用を有すること、およびその作用機序を明らかにすることを目的とする。
1.4種の癌細胞(HT-1080、MIA PaCa-2、PANC-1、BxPC-3)におけるTM発現量と浸潤能との間に負の相関が認められた。
2.上記癌細胞における線溶系酵素ウロキナーゼ(uPA)の前駆体であるpro-uPA量と浸潤能との間に正の相関が認められた。
3.精製因子を用いたin vitro実験において、TMはトロンビンによるpro-uPAの失活化を濃度依存的に促進した。またTM非発現のHT-1080にトロンビンおよびTMを添加して培養すると、培養上清中のpro-uPAはトロンビンによって失活化され、その失活化はTMの濃度依存的に促進された。
4.TM非発現細胞であるHT-1080およびMIA PaCa-2の浸潤能は、トロンビン存在下において添加されたTMの濃度に依存して抑制された。
以上のことから、TMは癌細胞の浸潤に対して抑制作用を有することが示唆された。またその作用機序の一つとして、TMはトロンビンによるpro-uPA失活化を促進することによって組織線溶能を阻害し、癌細胞の浸潤を抑制しているものと考えられた。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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