1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09772001
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
平本 一幸 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50222253)
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Keywords | グルコース / BSA / メイラード反応 / hydroxyfuranone / hydroxypyranone / 活性酸素 / DNA鎖切断 / GC / MS |
Research Abstract |
私は糖とアミノ酸の加熱メイラード反応により,活性酸素を増産してDNA鎖切断を引き起こすhydroxyfuranone類及びhydroxypyranone類が生成することを既に明らかにしている。本研究は生体内の緩和な条件下での糖とアミノ酸や蛋白質のメイラード反応によるhydroxyfuranone類及びhydroxypyranone類の生成を検証することを目的にし,今年度はグルコースと蛋白質の生理的条件下におけるメイラード反応によるこれらの物質の生成を検討した。 グルコース(10%,w/v)とBSA(5%,w/v)の水溶液を37℃で3カ月間反応させ,反応液の酢酸エチル/2-プロパノール抽出物のスーパーコイルDNAに対するDNA鎖切断作用を調べたところ,この抽出物は濃度依存的な切断作用を示し,切断は鉄(III)イオンの添加で増強された。また,グルコース(10%,w/v)とBSA(5%,w/v)をリン酸緩衝液(ph7.4)中,37℃で1週間反応させた反応液の酢酸エチル/2-プロパノール抽出物も濃度依存的なDNA鎖切断作用を示し,切断は鉄(III)イオンで増強された。鉄(III)イオンで増強されたことより,hydroxyfuranone類,hydroxypyranone類による切断と示唆された。グルコースとBSAを水中で37℃で3カ月間反応させた反応液をGC/MSで分析したところ,GCにおいてDMHF,HMF,DDMPの標品と一致した保持時間にピークが認められ,それぞれのピークののマススペクトルは標品のものと一致した。以上の結果よりグルコースとBSAの37℃,中性におけるメイラード反応により,活性酸素を増産し,DNA鎖切断を引き起こすDMHF,HMF,DDMPが生成することが明らかになった。
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