1997 Fiscal Year Annual Research Report
アラキドン酸由来生理活性物質生成に対する活性窒素種の影響に関する研究
Project/Area Number |
09772009
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
佐久間 覚 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (80201523)
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Keywords | アラキドン酸代謝 / プロスタグランジン生合成 / アラキドノイルCoA生合成 / 脂質代謝 / 一酸化窒素 / ペルオキシニトリト |
Research Abstract |
1.ウサギ腎髄質におけるアラキドン酸(AA)からのアラキドノイル-CoA(AA-CoA)およびプロスタグランジン(PG)生成に対するNO donorであるNOC-7の影響を検討した。反応は20mM MgCl_2,6.7mM ATP,67μM CoA,1mM glutathione,0.1mM hydroquinoneならびに基質として5μM ^<14>C-AA存在下、試薬とともにウサギ腎髄質ミクロソーム(1mg protein/ml)をインキュベートすることにより行った。NOC-7(1-100μM)は、PG生成量を減少し(100μM,16%抑制)、AA-CoA生成量を増加させた(100μM,1.17倍)。この時、NOC-7はAAの残存量に変化を与えなかった。 2.基質として60μM ^<14>C-AA存在下におけるAA-CoAおよびPG生成(それぞれの生成物量はcyclooxygenase(COX)およびacyl-CoA synthetase(ACS)活性を反映する)に対するNOC-7の効果を検討した。NOC-7(1-100μM)は、PG生成を抑制し(100μM,30%阻害)、AA-CoA生成にほとんど変化を与えなかった。この結果から、NOC-7は、基質濃度が低い状態(生理的状態)ではCOX活性を抑制することでPG生成量を減少させ、PG生成に利用されなかったAAがACSに分配されてAA-CoA生成を増加させることが考えられる。 3.ONOO^-の作製法を確立した。すなわち、あらかじめ氷冷した0.6M H_2O_2-0.7M HCl混液および0.6M NaNO_2溶液をそれぞれ5ml/15秒で混合し、その後、直ちに氷冷した1.5M NaOH溶液を10ml/15秒で混和した。混液中に残存するH_2O_2をMnO_2で除去したのち、遠心操作によりMnO_2を分離し、新規購入した超低温フリーザ-(-80℃)にて保存した。この方法により、最終濃度48mMのONOO^-溶液を調製することができた。
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