1997 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子が惹起する細胞致死作用におけるシクロオキシゲナーゼの機能
Project/Area Number |
09772010
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀 隆光 摂南大学, 薬学部, 講師 (00199522)
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Keywords | Prostaglandin / Epidermal Growth Factor / Tumor Negrosis Factor / Cyclooxygenase / Arachidonic Acid / Cyto toxicity / Apoptosis |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)は、多様な生理作用を持っている生理活性脂質である。PGは細胞増殖の制御に関しても重要な機能を持ち、細胞増殖の促進・抑制の正PGの前駆体であるアラキドン酸を過剰に共存させておくと、EGFとTNFは逆に細胞致死を起こす。この時、EGFやTNFは、PGE2産生を亢進しており、かつPG合成阻害剤であるインドメタシンがこの細胞致死を抑制することも見い出した。このように細胞致死にかかわると考えられるPGが、いかなる制御を受けて、どのような経路で発現されるかについて、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素(シクロオキシゲナーゼ:COX)のアイソザイムの解析を中心として実験を進めている。本年度は、まず、NS-398(COX-2アイソザイム特異的阻害剤)などを用いて、増殖因子が誘発する細胞致死作用に対する影響を調べた。種々の特異的阻害剤の効果を検討したが、COX-1とCOX-2それぞれの特異的阻害剤を用いても、一方のアイソザイムのみの関与を示す明確な結果は得られなかった。そこで、これらの増殖因子の刺激による、COX-1とCOX-2の発現の変化を調べるため、ウエスタンブロッティングおよびノザンブロッティングにより、それぞれのmRNAとタンパクレベルの解析を行った。COX-2タンパクレベルに、大きな変動は観察されず、COX-1の関与を示唆する結果が得られたが、COX-1のmRNAおよびタンパクレベルの変動に関する明確な結果は得られず、来年度以降、詳細な検討を続けることとした。
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Research Products
(1 results)